私がかば好きになったわけ

メトロポリタン美術館のマスコットかばのキーホルダー
 わたしがかば好きになったきっかけは15年前ぐらい前にさかのぼります。
 京都市動物園へ行ったらたまたまかばのえさの時間に出くわしました。
 だいたいかばが陸に上がっているのが珍しかったし、ましてえさを食べる様子なんてみたこともなかったので、びっくりしました。
 まず、「ザーザー」という音がしました。何の音かと思ってよく見ると、なんとかばのあごと地面のコンクリートがすれるときに出る音でした。ブルトーザーのように下からすくうときに音を立てているのです。山のように積まれていた草はみるみるうちになくなりその食欲のすごさと見事さに感動しました。
 そしてよく見るとお腹が垂れ下がって地面につき、引きずっているではありませんか。足が短いとは思っていましたがこれほどとは思いませんでした。だから、水の中にいるのか・・・と妙に納得しました。
 つぎにしっぽでした。これがまた器用にというか見事に回転していました。笑ってしまいました。よく見ると、かばがふんをまきちらすから注意という掲示物がありました。そしてその形が最高におもしろくて一生懸命見ました。これについては、2,クイズかばのしっぽをご覧下さい。
 でもその後上野と王子と東山と天王寺の動物園でかばを見ましたが、必ずしも私が最初に見たことがすべてのかばにあてはまらないことも分かりました。私の見たかばは京都市動物園の先代のオスかばだったようで、今は骨格標本になって図書室横の部屋に陳列されています。野生のかばはもっと精悍な顔つきで、しかも100bをカールルイスより速く走るのだそうです。時速50キロだそうですから人間はかないません。
 
 
私がますますかば好きになった二つ目の理由です。
 それは絵本「ぼちぼちいこか」(今江祥智訳)のかばさんののんびりしたキャラに対する共感です。
この関西弁を使った絵本の持つ魅力は大人を魅了します。子どもも大人も楽しめます。この絵本について、桃井かおりさんと今江祥智さんが話しておられたテレビ番組を見たような記憶があります。
「ぼちぼちいこか」は小心者で焦りの私には自戒のことばであり、いやしのことばでもあります。
 
 私はつい最近かばについておもしろがっているだけではいけないなと考えさせられた本があります。
この本との出合いが私がかば好きになた三つ目の理由ということになるでしょうか。
その本は
宮嶋靖彦さんの「だからかばの話」(朝日文庫)です。この本絶対お勧めです。かばに興味がある方もない方もぜひご一読を。宮嶋さんはフォトジャーナリストです。他にもかばの本を書いておられて、何よりすごいと思ったのは、日本の動物園などに飼われているかばの系図を完成させておられることです。たとえば、こんな話が書いてあります。
*かばがわずか30万円の値段だって知ってた?
*今かばを増やそうとする動物園はほとんどないって知ってた?
*かばは動物園の檻の中で夫婦完全に分けられて接触する機会もないって知ってた?
*今日本にいるかばは近親交配についてあまり配慮されてこなかったって知ってた?
*昔パンダなみの人気で、上野動物園に人が押しかけたって知ってた?
  でもいつまでも水の中にいるので
  「はやく外へだせ!」
  って見ている人が言ったって、おもしろい話だと思いませんか?
 

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