(サツキのお別れ会&河馬博覧会) |
2011・5・8(日)東京上野動物園へ行ってきました。 この日、上野ではサツキ(メスかば・2011年4月16日死亡39歳11ヶ月)のお別れ会が行われ、飼育担当者の話がありました。 今年は上野動物園にかばが来園して100年目です。5月8日は、それを記念した特別展「河馬博覧会──かば祭り in Ueno Zoo」(2/15〜5/8 )の最終日でもありました。 |
東日本大震災で被災したかばサツキとジロー
掲示板でキシリトオルさんが河馬博覧会のこともサツキの死も知らせてくださっていました。私は上野動物園のHPで下の文章を読みました。これを読んで、ちょうど5月8日(日)に東京へ行く用事があり、午前中に終わるのでお別れ会と博覧会に行くことに決めました。私は、1時ちょうどに上野動物園前に到着しました。2回目の訪問なのですが、前回パンダの記憶はあるのですがかばを見た記憶がないのです。かば舎は私が入場した上野駅側からは遠く離れた西園エリアでした。15分ほどでかば舎の前に。ボランティアの方たちが大勢おられて献花台が設けられて、メッセージを書くコーナーもありました。
『カバ「サツキ」メス39歳、死亡しました』2011/4/18
2011年4月16日19時すぎ、上野動物園のカバ「サツキ」が死亡しました。年齢は39歳11か月でした。
サツキは、1971年5月20日に上野動物園で生まれたメス。戦後から当園でとても親しまれた父親「デカオ」と母親「ナゴヤ」とのあいだに生まれた最初の子どもです。サツキは、デカオの血を受けついだ最後の子どもでした。
通常カバの出産は水中でおこなわれますが、サツキはめずらしく陸上で生まれ、そのまま陸上で3日間哺乳を受けながら過ごしました。
小さいころは神経質でとても臆病な性格だったサツキですが、その後、出産も経験し、堂々とした母親に育ちました。ただし、これまで6頭の子を産みましたが、うまく育つことが少なく、現在生きているサツキの子は、沖縄こどもの国にいる「モモエ」のみとなりました。
また、サツキは歯ブラシを使ったイベントなどにも参加して人気を集めました。
2011年3月11日の東日本大震災発生の際、サツキは部屋に入ろうとしたときに出入口の階段で足を滑らせ、足と股を傷め、治療を受けていました。その後、足を引きずって歩くサツキを、もう1頭のカバ、オスの「ジロー」とはわけて飼育していました。
また、上野動物園では、100年前の1911年(明治44年)2月23日にカバが来園したことを記念し、企画展「河馬博覧会──かば祭りin Ueno Zoo」を開催している最中でした(5月8日まで)。
上野動物園では、歩行に時間がかかるようになったサツキのようすに注意をしていましたが、2011年4月16日19時過ぎに死亡を確認しました。死因は化膿性関節炎でした。サツキの死後、上野動物園のカバは、オスのジロー1頭になりました。(『カバ「サツキ」の死亡と「ジロー」の近況』2011/4/29
2011年4月16日午後7時過ぎ、メスのカバ「サツキ」が死亡しました。40歳を目前にしての出来事でした。
サツキは1971年5月20日、デカオとナゴヤの1番目の子どもとして生まれました。現在の施設より前に西園地区にあった「アフリカ生態園」の最後の生き残りでした。
3月11日に発生した大地震の日、大きな揺れや何回も起きた余震の中、サツキは放飼場のプールから上がるときに左前足を踏み外し、痛めてしまいました。また、高齢などの理由により皮膚が荒れ、それが原因で化膿性関節炎になってしまいました。
地震直後は餌をほとんど食べませんでした。2006年に起きた中越地震のときにも餌を食べなくなったことがあるので、数日後に回復すると考えましたが、精神的ダメージが大きく、また脚が痛いため陸上で立っていられず、餌をほとんど食べられなくなりました。そのためサツキがプールに入っているときに、プールサイドからおからやペレットを団子にしたものや青草、乾草などを口の中に放り込んで与え、併せて痛み止めの投薬もおこないました。
カバ来園100周年の今年、カバ祭りなどのイベントが進行中でしたが、地震の影響で上野動物園は休園になりました。休園期間中徐々に症状は改善し、4月の初めには長い時間立ったまま餌を食べられるようになったのですが、再び悪化、オスのジローと部屋を分け単独飼育にして負担が少ないようにしていました。しかし4月中旬にはいよいよ餌を食べなくなってしまい、ついに16日死亡しました。
4月18日からはカバ舎に献花台を設置し、たくさんの方々にお別れに来ていただきました。飼育担当者として、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
サツキとジローは15年間にわたり、仲良くくらしてきましたが、残念ながら2頭の子孫は残せませんでした。カバは群れでくらす動物なので、2頭で飼育することによって精神的にも安定していました。残されたジローが完全に単独飼育になるのは初めてです。サツキの死後、ジローの餌を食べる量が減ったり、プールに長い時間潜ったままでいるなど、やや不安定な状態が見られるため、今後注意深くようすを見ていきたいと考えています。
もともと河馬博覧会のための企画であったのでしょう、上野動物園の歴代のかばたちの写真や家系図などの展示物が木にかけられています。
上野のカバ舎の右隣にコビトカバがいます。そして二つ合わせて「かば」のコーナーになっていました。
飼育員の方がマイクを持って何か話し始められたので「始まるのかな」と思いましたが、「かば飼育担当者の話は2時からです」というアナウンスでした。30分ほどあるので「ジロー「やコビトカバの様子を見ることにしました。ジローは、寝ていました。起きる気配はなく時々足を動かしていました。コビトカバが4頭いました。
ボランティアの人たちだけで10名近くおられたのではないでしょうか。それほど広くない場所でしたので、かば担当飼育員の方がマイクを持たれたときには5〜60名程の人垣ができました。たまたま通られた方もおられたでしょうし、私みたいにこのために来た人もおられたのではないでしょうか。
マイク音量が小さかったので、「聞こえません」と後ろから声がしました。私はかなり近い場所にいました。東日本大震災で被災したかばサツキ…これからサツキはそういう思い出し方をされるのだろうなと思います。
上に書かれた文章以外のことで飼育担当の方がおっしゃったことで私が記憶していることです。
@飼育担当のものの休みの日に動物が亡くなるというジンクスの通りの結果になった。
A自分はまだかば担当になって日が浅かったが、サツキの最後の担当になり残念だし申し訳ないなと思っている。
B動物園で死亡した動物は解剖される。サツキも解剖した。化膿性関節炎は相当な痛みだったであろう事が想像できた。
C解剖していくとどんどん小さくなっていった。今後骨格標本になる予定で、もしそうなったら又会いに行きたいと思っている。
Dジローはサツキがいなくなった後、サツキが寝る場所を空けていた。
Eジローはプールの端っこで水に潜っている。食欲も以前ほどではない。前はプールサイドに行くと撫でてもらいたがったのに今は出てこない。
F大型動物が足を痛めると致命傷になるということは分かっていたのだが…。
とまあ、こういう話でした。
私の前で話を聞いておられた方は、ハンカチで目頭を押さえておられました。
ちょうど担当飼育員の方のお話しが始まったとき、ジローが起きあがって、プールへ入って行きました。その様子を見ていたのですが、大変ゆっくりなのです。階段は5、6段なのですが、かばには不向きなのではないでしょうか。相当慎重に歩いているように見えました。年齢が高かったサツキが足を滑らせたのは、構造もあるのかなと思いました。
「うわあ!大きい」
とジローの寝ている姿を見て声が上がっていたのですが、私は小さいカバさんだなあと思っていました。雄のかばといえば天王寺のテツオや東山の重吉は精悍で顔つきも迫力がありました。まさしく男盛りという感じがしました。年齢のためかジローは好々爺という印象を受けました。
上野はこの後どうするのでしょうか。しばらくはジロー一頭を飼育することになると担当の方はおっしゃっていました。
上野動物園へ行って思ったのですが、狭いのではないでしょうか。それぞれの動物はかなり窮屈そうに私には見えました。
ジャイアントパンダ舎の前に何重も並ぶ場所が作られていましたが、それほど並んでおられませんでした。パンダ舎の出口が見えるところからパンダが見えました。遠目でしたがそのかわいさは分かりました。
東日本大震災と上野動物園
上野動物園のニュースで震災後どのような対応がされたのかが書いてありました。
○2011年3月11日午後2時46分、大きな地震が発生
来園者と職員の安全を確認。ただちに動物や施設の状況を確認。施設に多少の異状。3時15分の余震の後、猛獣類をはじめ、すべての動物の収容。午後4時作業完了。夜多くの職員、帰宅困難となり、宿泊。不安な一夜。
○翌3月12日(土)、そして13日(日)、施設の安全確認を徹底。動物が展示可能であったため開園。地震発生翌日の土曜日は上野周辺での帰宅困難者が来園。園内はいつもの土曜日とは異なる雰囲気。
○14日(月)は休園日。翌日以降の計画停電に対する対応。上野公園地区は計画停電対象からはずれていたが、地震による影響などを考慮し、17日から当面のあいだ閉園を決定。
○再開園は4月1日(金)。ジャイアントパンダも初公開。大勢の来園者。桜の季節を迎えた上野の春休み、長蛇の列。
特別展「河馬博覧会──かば祭り in Ueno Zoo」
◆会期 2011年2月15日(火)〜5月8日(日)午前10時〜午後3時
◆会場 上野動物園西園「ズーポケット」
◆内容
・上野動物園のカバ飼育史「カバ名鑑」
・ カバ美術館「アート・オブ・ヒポポタマス」
・カバグッズの展示「ザ・ヒッポパレード」
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