大丸ヴィラ

(旧下村正太郎邸・中道軒)

所在地 京都市上京区烏丸丸太町上ル
竣工年 昭和7年(1932)
設計者 W・Mヴォーリーズ
構 造 鉄筋コンクリート造・チューダー様式
撮影年月日 2002年9月14日
 烏丸丸太町北西交差点から北へ向かうとレンガの壁があって気になる建物がちらちら見える。木に覆われた向こうに洋館が見える。すぐ隣にある地下鉄「烏丸丸太町」駅北西出入り口ははこの建物に合わせてレンガ造りだ。なかなか京都市も粋なことをすると思う。豊郷小学校で有名になったヴォーリーズの設計になる建物である。この建物の所有者であった下村正太郎氏は「大文字屋下村呉服店」を百貨店「大丸」に衣替えさせた人物。英国16世紀チューダー王朝時代に普及したチューダー様式だが、この建物自体は鉄筋コンクリート造りである。英国の百貨店を視察中にチューダー様式にあこがれた下村氏がヴォーリーズに依頼して建てさてた。「中道軒」と名付けられた。下村氏はヴォーリーズのパトロンの一人で、大丸大阪心斎橋店(現存)大丸京都店(今はない)も建てさせている。

NTT京都支店西陣別館

(西陣電話局)

所在地 京都市上京区油小路通中立売南西角甲斐守町
竣工年 1922年(大正2年)
設計者 逓信省(岩元 禄)
構 造 鉄筋コンクリート
撮影年月日 2002年9月29日
京都市登録文化財
 建物そのものがすごいとは思わない。しかし上立売通りから近づいてよく見るとその彫刻がおもしろい。まず裸婦のトルソが三体、正面柱の上にある。その後ろ楕円形に48枚のこれまた裸婦のレリーフ。そして上の方にライオンがいる。大正時代にこの建物が現れた時の驚きを想像する。油小路通りの方2階のひさし柱の間にもレリーフがある。
 この建物の設計者岩元禄は大正7年(1918)東大建築学科卒後逓信省に入省。大正9年設計を任されこの建物が処女作。翌10年東大助教授に招かれる。当時の建築学科が若手のホープと見込んだ人物であった。しかし肺結核のため休職し大正11年わずか29才という若さで逝去した。彼の設計した建物で残っているのはこの建物だけである。

富士ラビットスクーター

(うどんと牛丼「なか卵」)

所在地 京都市下京区七条通新町西入夷之町721
竣工年 1925年(大正14年)
設計者 不詳
構 造 鉄筋コンクリート
撮影年月日 2002年9月22日
国登録文化財
 現在ファーストフーズのチェーン店がこの建物を使用している。この建物七条通を通っていて思わず足を止めた。ステンドグラスがいい。タイヤである。レリーフもおもしろい。屋根部分は自動車販売の草分け日光社の社屋としてふさわしい「日光」を表現しているのだという。建物に遊びがある。