金沢の赤レンガ建築

(1)石川近代文学館(旧第四高等中学校校舎)
国重要文化財

所在地 石川県金沢市広坂2-2-5
交通 バス停香林坊徒歩1分
施工 直営
竣工年 1891(明治24)年
設計者 山口半六・久留正道
構造 煉瓦造2階建
撮影年月日 2006年12月24日
 この建物は香林坊近くにある中央公園内にあり、百万石通りに面しています。現在は石川近代文学館として使用されています。金沢の三文豪(泉鏡花・室生犀星・徳田秋声)や四高出身の井上靖ら石川県に関係深い作家の書籍や直筆原稿などを展示しています。
 しかしもともとは、第四高等中学校校舎として使われ、明治27年に第四高等学校と改称されました。2階に旧制第四高等学校の歴史や当時の学生生活を紹介する四高記念館があるのはそのためです。
 敗戦後5年経った昭和25年第四高等学校は閉校となり、金沢大学理学部校舎になりました。その後金沢地方裁判所として使用されたこともありました。重文指定は昭和44年です。

(2)石川県歴史博物館(旧金沢陸軍兵器支廠)
国重要文化財

所在地 石川県金沢市出羽町3-1
交通 バス停広坂から徒歩7分
施工 直営
竣工年 1914(大正 3)年(第1棟)
1913(大正 2)年(第2棟)
1909(明治42)年(第3棟)
設計者 山口半六・久留正道
構造 煉瓦造2階建
撮影年月日 2006年12月24日
 立派な赤レンガです。1棟の長さは90m。竣工年が違う3棟の建物は新しい順に1・2・3棟と名前が付けられています。上の写真は左が1棟、右が2棟。真ん中の両棟を結ぶ建物は歴史博物館の玄関。
 建てられた当初は陸軍の兵器倉庫として使われていました。鉄格子と鎧戸といういかめしい窓は、いかにも陸軍を感じさせます。
 敗戦の翌年、金沢美術専門学校(現金沢美術工芸大学)の校舎として使用されていましたが、石川県に譲渡され現在に至っています。
第1棟 第2棟 第3棟

(3)旧陸軍第九師団関係の建物

 この2つの建物は石川県立能楽堂駐車場にあった建物です。上記石川県歴史博物館の近くです。

石川県庁舎石引分室(旧陸軍第九師団司令室庁舎)登録有形文化財 石川県庁舎石引分室(旧陸軍金沢偕行社…旧陸軍将校クラブ)登録有形文化財
 明治31年に金沢城二ノ丸跡に建築された旧陸軍第九師団司令部庁舎で、昭和43年に現在地に移築された際、両翼がほぼ半分に切り縮められたほかは原型を保つ。
 木造2階建、瓦葺で、正面玄関のピラスラー(付け柱)やペディメント(三角形の切り妻壁)、上げ下げ窓の下に付けられた手すり状の意匠など、初期洋風建築のもつ簡素なルネサンス風の外観を特徴とする。
 明治期の庁舎建築の好例であり、造形の規範となった建物として貴重である。
 
 明治31年旧第九師団創設と同時に旧陸軍の将校クラブとして、金沢市大手町に建てられ、同42年現在地に移転し増改築が加えられ現状の姿になったと伝える。
 木造二階建、マンザード風の瓦屋根(2つの異なる勾配をもつ屋根)とバロック風(曲線を多用する動きのある意匠が特徴)の外観をもつ。隣接する旧第九師団が簡素な庁舎風建物であるのに対し、好対照の、華やかな技巧を凝らした明治ロマンを感じさせる建物である。

(4)金沢城公園内旧第六旅団司令部

旧第六旅団司令部
明治村訪問記(金沢監獄の写真あり)
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