営業時間 | 16:00〜23:00 |
定休日 | 水・木曜日 |
所在地 | 伏見区上横縄町10の14 |
お風呂の種類 | 水風呂 電気風呂 ジェット泡風呂(ネオン湯) 深い風呂 ミネラル湯浴泉 |
駐車場 | なし |
アクセス | 京阪伏見稲荷駅下車西へ師団街道へ出る。 師団街道を北へ2〜300メートル東側約5分 |
栄湯に入るとすぐ下駄箱が左右にある。左入り口が男湯。入ると昔ながらの番台。
さっそく脱衣してお風呂へ。入ってすぐ左手に水風呂がある。そして右手にジェット泡風呂がある。この泡風呂3カ所からジェットが噴射している。そして一番奥は下からも泡が出ている。そしてネオン湯でもあって、このネオン湯おもしろい。3色に変化する。蛍光色の緑・赤・黄色の順に繰り返す。
そして深い風呂、電気風呂などが女湯との境の壁に沿って右手に並んでいる。
ここのお風呂はみんなミネラル湯浴泉だそうで、壁に「ラドン」「トロン」などという元素名が貼ってある。そして「いい湯だね。ここは栄湯・・・・」(だったと思う)という文字も壁で踊っている。呉竹湯と同じだ。でもここには呉竹湯にあった箱みたいなものはなかった。うーん、一体ミネラ湯ルって何だ!と思ってしまった。
栄湯は水・木曜日が定休日である。1週間に2回定休の銭湯は珍しいのではないだろうか。この近くの人で家風呂のない人はどうするのだろうと他人事ながら考えながら入っていた。
私とほぼ同時に入って来られた白髪で恰幅のよい方、和服で来られた。私など若い頃正月に着たようなあの和服姿である。一体この方は何を生業にされているのだろうと興味をもった。土曜日の午後4時にそういういでたちで銭湯にあらわれる人・・・。日本画家・陶芸家・日本舞踊・・・・あたりかな。想像したが決め手がない。全然知らない人に聞くわけにもいかんし、でも気になる。湯船でもいっしょだった。この人、最初から最後までずーっとため息をつきつづけた。「アー」「アー」「アー」と。よっぽどおもしろくないことがあるのか、疲れているのか、退屈なのか。よくわからないけどあの調子で家でもため息ついてるとしたらたぶん家族に嫌われるやろなあなどと、またしょうもないこと考えてしまった。
2002/11/2
しばらく前JR稲荷駅の北、本町通りに「稲湯」という銭湯があったそうだ。稲荷小学校の少し南側で現在駐車場になっている。その「稲湯」、「建築探偵神出鬼没」(朝日文庫)という本に紹介されている銭湯である。この本、私も最近になって知ったのだが路上観察学会という名前を聞いただけでも楽しそうな団体の本である。その主催者である藤森照信東大教授の「建築探偵」シリーズの第3作である。この中に「古都のアブナイお風呂たち」(京都の銭湯)として3つの銭湯が紹介されている。その3つとは、@藤ノ森温泉(北区)A船岡温泉(北区)B稲湯(伏見区)である。藤ノ森湯は建物と極彩色のタイルの見事さ、船岡温泉は建物と欄間のすごさ、そしてこの稲湯は「ガラス絵」のことがそれぞれ紹介されている。「ガラス絵」というのは文字通りガラスの上に描かれた絵でヨーロッパから中国へそして江戸時代に長崎経由で日本に入り明治半ばに大流行したもので現在はもう滅びているものだそうである。「明治期には銭湯に多く飾られていた」そうだ。「稲湯」のガラス絵は銭湯のガラス絵としてはおそらく全国で唯一の遺例だろうと言われていたものなのだ。男湯には「大石内蔵助とお軽」女湯は「山内一豊の妻」だったそうである。「稲湯」では昭和改元を記念して「ガラス絵」を描いてもらったそうだ。この本は1997年4月に出版されている。その頃にはまだあったのかな。それにしても見たかったなあと思う。
そして藤ノ森温泉も現在営業をやめてリニューアルされて若者向けの食事などができる店になっている。ここは唐破風の屋根や極彩色のタイルは健在である。
そういう本で紹介されたことのある銭湯「稲湯」のガラス絵だからどこかにきっと保存されているのではないかと思うのだが果たしてどこにあるのだろうか。