和束弥勒磨崖仏

2004・9・11(土)撮影
2004・9・16(木)作成

 京都府和束町はお茶の生産地として有名です。しかし行ったことがありませんでした。笠置町へ行く時に「和束」を表示してある場所があって、ここから入るのだなということぐらいしか知りませんでした。その和束に弥勒磨崖仏があるというので出かけました。
 奈良へ行った帰りに立ち寄るという感じで和束川沿いを走る信楽街道を進みました。和束町長井にあるというのですが、なかなか見つけることができませんでした。いつのまにか、町役場のある辺りに着いてしまって、来すぎたというので引き返しました。途中にある絵地図には確かに磨崖仏の絵も描いてあって、その辺りにあることは分かるのですが見つかりません。2往復目にあきらめて木材加工のお店に入って展示物見せていただきながら聞いてみました。教えていただいた通り行ってみましたが、橋を渡ると道が細く車を置くところもないので、もうあきらめて帰ろうとしたら、和束川の向こう岸の岩壁に発見しました。
高さ5mを越す花崗岩に光背形を彫り、その中に蓮華座に立つ像高3.27mの如来立像が半肉彫りしてあります。施無畏印・与願印の印相。釈迦石仏かなと思うところですが、この石仏の右側に銘文が彫られていて、願主実専が尼法阿とその子万寿丸僧実海の弥勒浄土への往生を願って正安2年(1300)に彫られたことがはっきりしています。

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