夕日朝日滝坂道の怪

 滝坂道の石仏の写真が撮りたいと思って2007年7月22日(日)出かけました。新しいカメラと三脚持ってウキウキ気分でした。
 前回行った時は三脚がないために手ぶれを起こしたり、自然にフラッシュが発光するため不自然な色になってしまったり、今度こそはと多少意気込んでもいました。カメラは21日に買ったばかりのもので、どんな具合かも楽しみでした。
 実はこの日、朝7時前に自宅を出発してまず、ハスの花の写真を撮りに京都の法金剛院へ行きました。そしてとって返して奈良へ向かいました。西ノ京の唐招提寺と喜光寺へ向かいました。やはりハスの花がお目当てです。このページはまたゆっくり作ろうと思っています。
 その後に、滝坂道へ向かいましたから滝坂道入り口についた時には2時半を回っていました。
 天候はいつ雨が降ってもおかしくないような状態で、実際朝は雨がぱらついていました。
 ご存知かと思いますが、滝坂道は川が平行している道で、それまでの台風や梅雨の影響もあって湿気が多いことこの上なく、カメラキャップを閉めて再び開けると曇っているという最悪の状態でした。
 それでなくても暗い道は、天候の影響でさらに暗さを増し5時過ぎているのではないかと錯覚しました。 
 夕日観音は足場の悪いところを登ってやっとそのお姿を捉えることができます。私も道に慣れたのか今回はスムーズに登ることができました。三脚の力のおかげで、私の目に見える色と同じ写真がやっと撮れました。 

さらに進んでいきますと朝日観音です。この辺りはさらに暗く写真には向いていないのですが、こんな写真を撮ってきました。

 朝日観音のおられる辺りは小さな滝があります。今度はそれを撮ろうと三脚立てて撮ることにしました。シャッタースピードはいやでも遅くなりますから、三脚さえ立てれば下のような写真を撮るのは簡単です。機嫌良く撮っていましたら、横の川へ何かが飛び込むような音がしました。
 ここからの話は、夢でも見たのだろうと思っていただいて結構ですが…。
 私は霊感とか何とかいうものを感じたこともありませんし信じてもいません。幽霊も信じていません。霊魂とか何とか言って人を不安にさせるような人たちは大嫌いです。
 しかし、この後写真を撮り終えてバイクを置いた滝坂道入り口までの間、私はだれかから見られているような気がしてなりませんでした。背中を悪寒が走りました。鳥肌が絶えず立ちました。特に川が北側を流れ出した辺りから、私の左側(つまり南側)からだれかが私を呼んでいるように思われてなりませんでした。
 私は立ち止まって声をかけてみることにしました。
「だれか、私を呼んでいますか?」
「何か用事ですか?」
何も返事はありませんでした。私は合掌して四方に頭を下げました。
 一体何がどうなったのかよく分からないのですが何かを私が感じたのは確かです。
 私が歩いている時も写真を撮っている時も大体15分に一人乃至1グループの方々と出会いました。しかし悪寒を感じている間は誰とも会いませんでした。
 家へ帰って汚れたズボンを脱いでいて、ビックリしました。何と私のズボンにかなりの血が付いています。ケガをした覚えはありません。痛くもかゆくもありません。そう言えば、滝坂地蔵磨崖仏の写真を撮っていた時、蚊に刺されたのでそれを知らずにつぶしたのかなと思いました。そして靴下を見てさらにビックリ。かなりの出血です。足の甲とアキレス腱の上部二カ所に、血だまりができるほどの出血です。それにしても、これだけの出血なのに痛くないケガってどういうこと?と思いながらその血だまりをふいてみました。それでも痛くもかゆくもなくきれいにふき取れて、しかも傷口がないのです。お風呂で血を洗い落としましたが、滲みることもなくますます???になりました。しかし血は止まらず滲み出続けました。
 私の頭に「ヒル?」と言う言葉が浮かんできました。しかしヒルはかなり痒いということを聞いていてますます?になりました。
 という話を職場でしたら、「それはヤマヒルだ」と教えてもらいました。ヤマヒルは痛くも痒くもなく血を吸うのだそうです。私が血だまりだとふき取った中にきっとヤマヒルがいた違いありません。
 それで出血の原因は判明したのですが、もっと知りたい「私を呼んでいたもの」が分かりません。その後私を呼んでいるものの気配を感じないのですが、また滝坂道へ行けば出会うのでしょうか?
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