福岡市の赤煉瓦
①福岡市赤煉瓦文化館
②旧福岡市公会堂貴賓館
③西南学院大学博物館

(1)重文福岡市赤煉瓦文化館
(中央区天神1丁目15-30)

地下鉄空港線天神駅12番出口から5分。水鏡天満宮と隣り合わせで、昭和通り、那珂川に面している。入館料無料。

 この建物は日本生命九州支店の社屋として1910(明治42)竣工されました。設計者は辰野金吾と片岡安。今も全国各地に残る「辰野式」と呼ばれる装飾的な赤煉瓦建築の一つです。中央部にドーム。屋根に小塔や屋根窓を配し煉瓦と花崗岩の帯を装飾的に配置したこの形式は、辰野式そのものです。辰野金吾は、英国留学で当時流行っていたクイーンアン様式を学びそれを取り入れて自身の様式を作り上げました。辰野金吾(1854~1919)は帝国大学工科大学(後の東大工学部)教授を経て後、帝国大学工科大学学長。日本建築学会創設、辰野長野事務所(東京)、辰野片山事務所(大阪)など設立。押しも押されもせぬ日本建築学会黎明期の大立者。弟子も伊藤忠太、竹田五一他そうそうたるメンバー。東京駅、日本銀行本店大蔵省、日本銀行京都支店(京都文化博物館)、大阪市中央公会堂などが現在も残されています。銀行、日本生命会社、政府、自治体関係の仕事など広く携わり、多くの建築が今も各地に残っています。
 昭和44年に重要文化財に指定されています。復元整備後、平成6年から「福岡市赤煉瓦文化館」として開館されています。

建物内部の様子

 内装その意匠いずれも遊び心を感じて造られのではと予想しました。私は明治の歪んだガラスを見ると懐かしい気分になるのですが、ここの窓もそうでした。少し歪んだ外の景色はレトロな雰囲気を醸しだします。暖炉跡、階段、生命保険会社の窓口業務で使われたであろう窓、塔へのぼる階段、それ程豪華でもないシャンデリア、いずれも明治大正ロマンの世界へ誘います。
 エントランス 福岡市文学館応対窓  オシャレな暖炉  二階へ昇る階段   現会議室(医員室)
         

(2)重文旧福岡公会堂貴賓館

 
重要文化財建築。1910年(明治43)竣工。フレンチ・ルネッサンス様式基調。 設計者は三条栄三郎福岡県土木建築技師。入館料:200円。左の八角塔が印象的。
 福岡市赤煉瓦館を那珂川沿いに歩いて、明治通りを渡り、天神中央公園内那珂川と薬院新川の西中洲に、旧福岡公会堂貴賓館があります。福岡市赤煉瓦館からは10分ぐらいでしょうか。1911年(明治43)に開催された九州沖縄八県連合共進会(九州博覧会のようなイメージ)のシンボル・貴賓館として建設されました。最初の貴賓は閑印宮夫妻だったらしい。
 戦後福岡高等裁判所、福岡県農林研究所として使用された後、昭和31年からは福岡県教育委員会として利用されている。
 中にはカフェがあり、明治の衣装体験、展覧会などのイベントも行われるようです。
 残念ながら、私は中へ入らなかったのですが、内装や丁度など貴賓館だけあって、興味ひくものが多かったようで、残念でした。

(3)西南学院大学博物館
(福岡市早良区西新)

 
博多から地下鉄空港線西新駅下車。(15分)
⑤番出口から徒歩10分。
 西南学院大学へは、博多から地下鉄空港線西新駅下車。(15分)⑤番出口から徒歩10分。西新は「にしじん」と呼ぶようで、「京都西陣」を思い出しました。
 私が2018年福岡の全国作文教育研究大会へ参加したのは、専門学校の学生さんのエッセイを読んでいただきたかったということと、福岡の煉瓦建築及び福岡市動植物園のカバに会いたいという動機も大きかったのです。
 西南学院大学博物館は、ウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計により、1921年に西南学院本館として竣工された建物です。2004年に福岡市有形文化財に指定され、2006年5月13日に大学博物館として開館しました。
 ヴォーリズは宣教師として日本に赴任後、キリスト教関係の諸施設を設計しました。西南学院大学のこの博物館には、キリスト教の歴史に関わる貴重な資料が保存展示されているそうです。残念ながら、私は見る機会を逸しました。
 滋賀県の近江八幡にもたくさんヴォーリーズの建築作品が残っています。京都にも「大丸ヴィラ」「同志社女子大学アーネスト館」など人気の建物が残っています。
 この建物、ツタが絡まっていて煉瓦を覆い尽くしています。南側はツタを切っておられるようで、その赤煉瓦と窓の白がいい感じです。
 私は1日目はコミュニティーホールで全体集会があり、2日目は小学部で分科会がありました。西南学院大学小学部の男子トイレに感心しました。全室個室でした。これからの学校はきっとこうなるだろうなと思いました。
①清潔さが確保されやすい。
②男子で立ちションべんする人を減らせる。
③男子が大便に行きやすい。
などのメリットが考えられます。
 校舎も斬新で、大きく広々しており広い大階段が2階へ誘導し、食堂は200~300人使用可能でした。私立小学校へ行ったのが久しぶりだったものですから、感心しきりで帰ってきました。
給食費は1万円を含め、月額授業料は6万円、1年生入学時30万円(入学金100,000円・施設拡充費200,000円)だそうです。さもありなん。お金に余裕のある家の子弟は、こういう学校で学び大きくなっていくのだなと思いました。
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