天邪鬼

オレ、何にも重いことないぞ!
三重塔の庇支えるぐらい軽い軽い。
これこれ、天邪鬼(あまのじゃく)、ウソつくな。
お前が必死なことぐらいだれでも分かる。
オレは天邪鬼。正直一筋、誠実一路。
お前の性根はわかった。それにしてもゆるいふんどしやなあ、お前。
 天邪鬼は仁王さんに踏まれているので有名です。そして人の言うことに逆らって、反対のことばかり言うというのでも有名です。
 邪鬼がおもしろいと思ったのは法隆寺金堂と東大寺戒壇院で、四天王に踏まれている邪鬼を見た時でした。法隆寺の邪鬼はオーソドックスで確かに恐縮しているように見えました。ところが、東大寺戒壇院の邪鬼は、悪びれることなく反省することもなく踏まれているのです。そして不謹慎にも「ゆる褌」でした。そのことをある評論家は「いつでも間男する覚悟があるようで、楽しい」と書いておられました。私はそれ以来、邪鬼のフンドシに注目してます。
 これは、岩船寺(京都府加茂郡当尾)の三重塔の庇を支えている間男(いえ、天邪鬼)です。本物は重要文化財です。三重塔も重文、邪鬼だけでも重文。お寺では邪鬼のキーホルダーや土鈴が売られています。

2005・6・22(水)

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