椣原・鳴川道石仏巡り

(1)金勝寺磨崖仏

 近鉄生駒駅から生駒線(単線)で元山上駅へ。ここは平群町である。駅前を国道168号が通っていて、その道を北へ行くと椣原(しではら)金勝寺に出る。金勝寺本堂の南側に磨崖仏がある。康正2年(1456)、天正14年(1586)の年号を持っている。

地蔵菩薩・阿弥陀如来・不動明王などが彫られている。

金勝寺へ行く道の横を流れるのは竜田川。この川きっと昔は美しい景観を見せていたのではないかと思いながらこの景色を見た。

(2)山口神社前如来像

 金勝寺からもう一度元山上駅までもどり道を西へ向かいます。檪原(いちはら)山口神社前に首のない如来像がおられました。ここまで1km。めざす千光寺までは、2km。

(3)清滝磨崖石仏群

 修験道の行場である清滝の岩壁に鎌倉期の八尺地蔵が線彫りされている。そしてその近くの岩に磨崖の地蔵が何体も彫られており、貝吹き地蔵とかはらみ地蔵などと言う名が付けられている。

(4)弘安4年(1281)ゆるぎ地蔵

 さらに千光寺への道を進むと辻堂があり、「ゆるぎ地蔵」という名のお地蔵さんがおられる。信仰すると病気が「ゆるぐ」ところからの命名。

(5)千光寺

 最後の坂道がきつい!相当な傾斜道をやっと登り切ると千光寺に着いた。ここはユースホステルもしておられるようだ。この前の道を右へ行くと暗峠に出る。そして右へ行くと鳴川峠へとつながる。
 なぜ元山上なのかといいますと、奈良時代に役行者(小角)が吉野大峰山開く前にこの一帯の山中で修行したところかららしい。そして役行者の母もこの千光寺で修行したとかで、大峰山の女人禁制と違い、女人も修行できる霊場とされたらしい。
 千光寺には石仏はない。そのかわり、鎌倉初期の宝塔と十三重石塔があった。それを紹介しておく。
 暑い日であった。なんでこんな日を選んで山道を歩いているのだろうかと思いながら歩いた。行く道でもお寺でも、観光客も参拝者も会うことはなかった。

2006・8・17(木)撮影
2006・8・18(金)作成

暗峠石仏巡り
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