狛坂磨崖仏・金勝寺磨崖仏

2004・7・17(土)撮影
2004・7・18(日)作成

「湖南アルプス」「金勝寺ハイキングコース」を歩きました。もちろん、狛坂寺跡磨崖仏と出会うためです。
狛坂寺跡磨崖仏
しかしこのコースは狛坂磨崖仏だけが素晴らしいのではなくて他にもたくさん紹介したいことがあるので、私が見たこと、感じたことを順々に紹介することにします。
栗東ICから県道12号(栗東信楽線)で信楽に向かいます。「金勝山県民の森」に道の駅「こんぜの里りっとう」があります。ここで、「こんぜめぐり旅」という地図をもらいました。これがとても便利です。この道の駅「こんぜの里」からすぐ南の山道を入っていきますと金勝寺というなかなか素晴らしい山寺があります。

(1)金勝寺

このお寺は古く天平5年(733)良弁上人の創建とか。このお寺きっと紅葉の時期は美しいだろうなと思いました。参道から見える山門も美しいですし、山門から見える本堂も大変美しいです。あまり人が訪れることがないためでしょうか、苔が素晴らしいです。
このお寺に重要文化財の木像が何体もあります。本堂は鍵がかかっていて中をのぞくと釈迦如来座像が少し見えました。
本堂横に軍荼利明王堂がありました。軍荼利明王というのは、さなざまな悪や障害を取り除く明王で、一面または三面八臂の忿怒相で二つの蓮華座にまたがり、中央の二手は胸前で交差させ胸に当てています。法輪や武器を持ち、体に蛇を巻き付けています。

(2)馬頭観音駐車場

車はここまで入ることができます。道の駅「こんぜの里りっとう」で、「この駐車場が満車で駐車できない」ということはありませんか」と聞きましたら、「まずありません」ということでした。15台駐車できます。私が着いたときには3台、帰るときには1台駐車していました。ここからの景色がなかなかです。JRA栗東トレーニングセンターや近江富士そして琵琶湖が見えます。
そして、ここからハイキングコースが始まります。

(3)茶沸観音(金勝寺磨崖仏1)

ハイキングコースは、花崗岩の風化した尾根道を砂を踏みしめながら進んで行きます。左右に花崗岩の巨石群が見え隠れしながら道は続きます。金勝寺八大竜王社から竜王山山頂へ行く道と別れて尾根道を歩き続けると、この茶沸観音に到着します。
この茶沸観音は古いものでおそらく狛坂磨崖物と同じ時代のものであろうと思われています。つまり奈良時代に遡るということです。像高24cmのかわいい磨崖仏です。高さ1.78mの岩に深く削られた中におられます。でもなぜ「茶沸かし観音」なのでしょうか?明らかに観音ではなくて如来立像です。

(4)白石峰(分岐点)

ここで、私は狛坂線を行くことにしました。

(5)重ね岩(金勝寺磨崖仏2)

狛坂線におもしろい石があります。巨石が二つ重なった「重ね岩」です。この三方の岩肌に三体の磨崖仏があるというのですが、私は一体だけしか判別できませんでした。風化が進み判然としません。

(6)国見岩

ここから見える景色は「湖南アルプス」「金勝寺ハイキングコース」という場所をよく表しています。花崗岩の巨石群です。そしてその下に「第二名神」が見えました。道路工事が進んでいるのだなということがよく分かりました。「あれは、何?」と思いましたが信楽町内に入るともう完成が近いことを感じました。

(7)狛坂磨崖仏

雨が降ったら川になるのではないかと思うような道を下っていきます。「これ帰るとき登るの大変やろうな」と思います。
突然石垣(狛坂廃寺)が現れ林の向こう側に「磨崖仏らしきもの」が見えます。やった!やっと着いたらしい。近づくと「ウーン」と唸ってしまいました。すごい!
この磨崖仏は、狛坂寺廃寺跡近くにあり、やや傾いたおよそ高さ6m、幅4.5mの巨石に彫られています。主尊の如来座像は像高約3mです。その脇侍(菩薩像)2体は約2.3mです。さらにその上に三尊の座像2組とさらに、3菩薩立像が見られます。
そして、この磨崖仏向かって左に別石で蓮華座の三尊像があります。これは後刻であろうと言われているようですが、これも美しいものです。この3体合わせて全部で、15体の素晴らしい仏たちです。
この石仏を作った人たちは渡来系の人々(新羅)であろうと推定されており、奈良時代から平安時代前期の頃に造られたとのことです。「狛」は、朝鮮半島とのつながりを今に伝える地名です。何でもこの磨崖仏によく似たものが朝鮮新羅の時代のものとしてあるらしいです。何とも美しく見飽きない磨崖仏です。ここでゆっくり昼食を摂らせてもらいました。

(8)狛坂廃寺石垣

狛坂寺は明治はじめまで存在したらしいのですが、廃仏毀釈の影響もあったのでしょう、廃寺となったようです。金勝寺は女人禁制だったようで、この狛坂寺が結界となり、平安時代檀林皇后の下賜した仏像が金勝寺からここへ移され安置されたいう話が説明版に書かれていました。

(9)耳岩・天狗岩

ここから白石峰へ戻り、北峰縦走線を北へ向かうことにしました。耳岩と天狗岩へ行きました。耳岩は展望台の矢印方向に展望台発見できず。そして、私が撮したこの写真が果たして耳岩なのか自信がありません。これ、耳に見えますか?この左側にもっと大きい岩があるのですが、それかもしれません。
天狗岩は、山のてっぺんにある巨石群のことのようです。登っていってその平たい石の上からの展望を楽しむということらしいのですが、私最後の岩へ登るのやめました。私は典型的なカメで、高いところがあかんのです。天狗さんはえらいなあ。
耳岩 天狗岩
天狗岩から引き返して、何回か休憩しながら、車をおいた馬頭観音駐車場へ戻りました。
午前11時から歩き始め、戻ったのが午後2時半でした。3時間半のハイキングでした。

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