京都府下の赤レンガ(2)亀岡楽々荘洋館

明治から大正にかけての実業家で政治家であった田中源太郎の本邸として建てられた建築。
田中源太郎の設立した京都電燈会社は、明治21年に設立された日本でも最初期の電燈会社である。この会社は伏見にあってその建物は現在モリタ製作所の工場となっている。田中源太郎という名前は琵琶湖疏水工事にも登場する。京都鉄道会社(山陰線)をつくって鉄道敷設を計画したそうだが採算が取れなかったようだ。その際いっしょに設立した南桑煉瓦株式会社の製品をこの建物でも使用しているのだそうで山陰線の煉瓦と同じものが使われていると言うことになるようだ。
庭園は明治の作庭家として有名な小川治兵衛(植治)である。
木像平屋建で桟瓦葺寄棟造の日本館とレンガ造二階建の洋館からできている。明治30年代の邸宅として地方にあるものとしては屈指のものという評価。田中源太郎が贅を尽くして建てた建物である。

2004・10・24撮影
2004・11・3作成

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