東京のレンガ建築

 「京都の赤レンガ」(京都新聞社)にコラム煉瓦・ミニ知識J「日本の巨大煉瓦建築」があります。それによりますと赤レンガ三羽ガラスというのが書いてあって、それは、東京駅・大阪市中央公会堂・北海道庁だそうです。しかし煉瓦をたくさん使っているかどうかということになると少し変わるようで、@東京駅833万本A旧カブトビル(300万本)B北海道庁(250万本)となるそうです。東京駅はやはり貫禄で赤レンガ三羽がらすにも入り使用煉瓦数でもダントツでトップです。要するに日本で一番巨大な赤レンガは東京駅だと言うことになります。
 しかし土木工事を加えると碓井トンネルの1500万本とか琵琶湖疎水1450万本が多いと言うことになるそうです。 

(1)東京駅

 丸の内側に出るとこの巨大な煉瓦に出会えます。明治時代多くのレンガ建築を手がけた辰野金吾の代表作。とにかく大きい。左右の長さ300m。全景がとれないかと駅前をあちこち動いてみたがだめでした。
 日露戦争に勝った日本が首都の停車場として威信をかけて造られたそうでそれだけの貫禄を誇っています。明治41年(1908)起工され大正3年(1914)完成されています。2階建ての予定を3階建てに変更したとか。竣工当初は中央が天皇専用出入り口、南口が入り口で北口が出口専用にしたけれど300m歩かなければならないと言うので失敗に終わったとか。
 昭和20年(1945)5月25日の空襲で3階部分が全部焼け落ちたそうです。

(2)法務省(旧司法省)

 東京駅で地下鉄丸の内線にのって霞ヶ関でおりて桜田門の方へ出ればこの建物があった。平成6年国の重要文化財の指定を受けている。東京駅も大きいがこの建物も大きい。
 明治28年(1895)竣工。ドイツのネオバロック様式の煉瓦と石の建築。ドイツ人エンデとベックマンの設計し、河井浩蔵も実施設計として参画。
 東京大空襲で煉瓦壁だけが残ったが天然スレート屋根を瓦葺きにするなどして昭和25年に改修し法務省本館として使用。平成3年から復元改修工事を始め平成6年(1994)創建当時の姿に復元。私が行ったときは土曜日で休館日でしたが、普段は法務省資料展示室になっています。

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