石山観音公園石仏巡り
(三重県安芸郡芸濃町大字楠原字石山)

 名阪国道「関IC」でおり、すぐ右折(南へ)して、県道津関線(伊勢別街道)に入る。ゴルフ場と石山観音の案内があるところで右折し、ゴルフ場へ行くと道と分かれ右折すると石山観音の駐車場に着きます。JR関駅からは国道1号を東へ500m行き、伊勢別街道へ出て、そこを右折すると名阪国道の下をくぐります。後は同じです。3kmあるそうで、歩いていくとなるとなかなかの距離です。
(1)石山観音公園案内 (2)地蔵立像磨崖仏 (3)聖観音立像磨崖仏
(4)西国33カ所観音 (5)阿弥陀立像磨崖仏 (6)橋下地蔵磨崖仏

(1)石山観音公園案内板と絵地図

 標高160mの山全体が一つの石から出来ているのだそうです。でかい石です。そこに鎌倉時代から大正昭和までの700年あまりの間に作られた磨崖仏があります。鎌倉時代のもの2体を含め、江戸時代に作られたらしい西国三十三カ所観音等合計四十余体の半肉彫りの仏たちを巡る順拝路コースが作られています。
 もともと淨蓮坊というお寺があったところらしいのですが、沿革は不明らしいです。雨乞いの場所らしいと書いてあったのですが(パンフ『石仏めぐりー石山観音公園ー』:芸濃町・芸濃町観光協会発行:50円)確かに馬の背で雨乞いしたら効果ありそうですが、雷でも鳴ろうものなら怖いやろうなと思いました。

(2)石山観音公園磨崖地蔵立像
(県指定文化財・鎌倉時代?)

 このお地蔵様は、淨蓮坊跡の広場から出発した最初の石仏・西国三十三カ所観音霊場巡り第1番札所の『那智の観音』の次に見えます。
 頭部円光と身光とを連ねて共に深く彫り込み、仏体を雨露から護る仏龕の役目を持たせているようです。釘抜きに形が似ているので「釘抜型光背」というようです。

(3)石山観音公園磨崖聖観音立像
(県指定文化財・江戸時代末)

(4)石山観音公園西国三十三カ所霊場巡り観音 

 1番と33番はかなり大きな観音像です。その他の観音さまは大体1mまでのもので、石を深く穿った中に肉彫りに近い形で彫られています。同じ岩でもやはり風化しやすいところはお気の毒に顔がとけた状態になっていて、大正時代に新しいものを作り直してあるものもあります。観音様たちへ近づくためには、階段が作ってあったり、通路が造ってあります。「馬の背」と命名されている場所にある観音様をなど特に風が強かったら危険です。
1番那智の観音 12番千手観音 33番聖観音

(5)石山観音公園阿弥陀如来立像磨崖仏
(県指定文化財・鎌倉時代)

 石山最古最大の巨像阿弥陀如来立像です。台座を含めると5m。

(6)橋下地蔵磨崖仏

 駐車場に地蔵磨崖仏があることを案内している掲示物があります。小川が流れていて、その両岸に地蔵の梵字種と地蔵立像、座像が彫られています。石山の磨崖仏は深く光背を穿ってあり、それに仏龕の役目をさせているようで、半肉彫りより丸彫りに近いものになっています。リアルなお地蔵様です。
 「石仏ファンは一度は訪ねたい所」(清水俊明著:「関西石仏巡り」創元社)ということばで、「行こう!」と思い立ち、伊賀上野の石仏巡りといっしょにして出かけました。これだけ見せていただくと堪能しました。いやあ、素晴らしい!もっと交通が便利だったら行く人も増えるかもしれません。いや、石仏ファンというのは絶対数が少ないかな。

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2005・8・10(水)撮影
2005・8・13(土)作成