吉野一目千本桜

 行ってきました、あこがれの吉野の桜を見に。吉野の桜の魅力はパノラマの凄さだなと思いました。何本かの桜が美しいというのではなくてずーっと桜が続く凄さでした。吉野山はヤマザクラ中心に200種3万本の桜が咲いているそうです。
 京都駅から2時間強で吉野に着きました。そこからバスが出ていて上千本さらに奥千本口へのバスがピストン運転されていました。
 吉野は下から順に下千本・中千本・上千本そして奥千本と続きます。私は奥から下へ下がってきました。

奥千本(金峯神社・義経隠れ塔・西行庵・苔清水)

 吉野の歴史上の人物と言えば、後醍醐天皇・源義経・西行でしょうか。桜好きの西行が3年間住んだ吉野というだけで行ってみたいなと思います。その西行の庵が再現されているのが奥千本。桜の花はほとんど咲いていませんでした。咲いたらきれいだろうなということは想像できました。苔清水はどんな天気でも水がかれることはないとか。
金峯神社 義経隠れ塔 西行庵 西行像 苔清水

上千本(吉野水分神社・花矢倉展望台)

 吉野水分神社(よしのみくまりじんじゃ)と読むそうです。「みくまり」から「みごもり」となり子授けの神としての信仰があるそうで秀吉もその霊験にあずかって秀頼を授かったとかで、建物は秀頼寄進。ここに見事な枝垂れがありました。
 花矢倉展望台は吉野山全体が一望になるスポットです。尾根づたいの道の向こうに蔵王堂が大きく見え、絵になる風景です。花矢倉展望台から見晴らしのよい道が続きます。ここが一番吉野らしい桜が満喫できるところです。

中千本(吉水神社)

 申し訳ないのですが疑い深い私は、吉水神社にあるものは「ホンマカイナ」という気がしてにわかには信じられないもの多数でありました。この吉水神社からの景色はなかなかすごいもので、下から仰ぎ見る桜が見事です。

下千本(金峯山寺)

 7世紀後半に役行者が開いた金峯山寺修験本宗総本山。蔵王堂は康正元年(1455)再建で国宝。東大寺大仏殿に次ぐ規模の木造建築物。柱材は梨・杉・つつじなど製材せずに使用されてます。
 このお寺の説明をされている坊さんはなかなか話し上手な方でした。その方のお話から。「権現」の「権」は「仮の」という意味で権現とは「仮にあらわれた姿」の意味だそうです。役行者が大峰山で1000日の苦行中に現れたのが、「釈迦如来・千手観音菩薩・弥勒菩薩」でした。しかし役行者が「もっと強い仏を」と念じたところ「蔵王権現」三体が岩を突き崩し現れました。蔵王権現は「釈迦如来・千手観音・弥勒菩薩」の仮の姿だそうです。役行者はその姿を桜の木に彫りのこしました。以来桜が保護。献木され吉野山が桜の名所になったとか。蔵王権現は金剛蔵王権現が正確な名です。大きな像で7.3mあります。昨年は開帳されていましたが今は未公開、残念。ポスターで見たことがあるのですがなかなか迫力のあるお姿です。
国宝蔵王堂 蔵王堂内からの桜

南朝妙法殿という建物は八角三重塔だと思うのですが、なかなか美しい建物でした。

私は奥千本から降りてきたので、最後に山門を見ることになりました。この山門も立派なもので国宝です。

 金峯山寺からすぐにケーブルの駅があってそれに乗ったら近鉄吉野の駅はすぐでした。大パノラマの桜と歴史の山吉野山はやはり人を惹き付ける魅了がある山でした。
京都の桜2006 四季折々 HPへ戻る