3月26日(土)、「園内つばき探訪」が開催されるというので、行って来ました。つばき展の展示、なかなかよかったです。
行ってみたい見てみたい京都の銘椿(めいちん)が切り花にして紹介されていていました。拝観を許可されていないお寺や期間を限定して公開されていて機会を逸しているものもあって、「そうか、これか」と思いながら拝見させていただきました。
京都の社寺と個人宅にある銘椿です。日本ツバキ協会顧問の渡邊武氏解説の『京椿』(京都書院・1991・水野克比古)は、私も京都のつばき巡りする時に参考にさせていただきました。水野さんの写真も素敵で素晴らしい本です。
(1)大徳寺の銘椿
京都のツバキで紹介した大徳寺のツバキは省きます。総見院の胡蝶侘助と聚光院の宗旦椿を紹介します。
(2)林丘寺白侘助
(3)大聖寺
機会があればぜひ見たいと強く思いました。
唐椿 | 神隠し | 玉兎 |
(4)宝鏡寺
村娘・月光・熊谷…寺の内通りにある人形の寺宝鏡寺。
(5)法然院
哲学の道にある法然院…貴椿上品でいいですね。
花笠 | 貴椿(あてつばき) | 五色散り椿 |
(6)長福寺
ここは行ったことがありません。ぜひ行きたいと思いました。
(7)霊鑑寺
哲学の道にある尼寺。年2回公開されます。
日光 | 衣笠 | 舞鶴 |
府立植物園樹木係長さんが椿についてお話しされました。私が興味を持ったことを私見も含めてまとめてみます。間違って聞いてたらお許しを。つばきは10月から次の年の5月までかなり長い期間次々色んな種類が咲き続け長期間楽しめる珍しい樹木です。
(1)つばきの名の由来
「厚葉木」…葉が厚い木…あつばき…ここからつばきという名になったという説。
「艶葉木」…葉に艶がある木…つやばき…ここからつばきという名になったという説
他に朝鮮語からという説もあるようです。上の説は語呂合わせを大喜利でしてるみたいでおもしろいと思います。「椿」という漢字は中国では別の樹木を表すようで、椿は「山茶」とか「山茶花」と表すようです。
(2)ヤブツバキ(ヤマツバキ)の学名
Camellia japonica L.と表記し、日本を代表する植物である証を冠しています。
(3)ツバキは多目的に利用されてきた
1,椿油(髪の毛を整える…種を利用…大島が有名)
2,木炭の材料
3,染めの材料
(4)園芸品種としてのツバキ
今日本にあるつばきの原種は5種だそうです。
その5種とは…。
1,ヤブツバキ
2,ユキツバキ
3,ユキバタツバキ
4,サザンカ
5,ヒメサザンカ
この中でもヤブツバキとユキツバキが大きな役割を果たして、つばきの種類の多様性を生み出したようです。どういうわけかDNA鑑定をして種の系統樹を作る作業がつばきでは遅れているようで、現在まだまだ謎が残っているそうです。
ヤブツバキは実生ですが、ユキツバキは種が出来ません。ユキツバキは材にもならないようで、邪魔者扱いだったようです。しかし「えだがわり」を起こしやすいユキツバキは変種を生み出すには適しています。ユキツバキは日本海側の秋田・山形・新潟・富山の山側にあったようで、これが京都に運ばれ様々なつばきを生み出しました。
室町時代からの茶の湯の興隆とともに茶花として愛好されました。
その後江戸時代に大園芸ブームが起こり全国各地で様々なつばきが作られました。江戸錦・肥後椿・土佐有楽・唐津・伊勢太白などなど名前を見ただけでもそれがうかがえます。
また各地で名前が違うようで統一はなかなかはかれないようです。関西の「有楽」も関東では「太郎冠者」だそうです。京都で「日光(じっこう)」と言っている椿は、「紅唐子」(東京)「紅卜伴」(愛知)という別名を持っています。「月光(がっこう)」は「卜伴」(東京)とか「白芯卜伴」(愛知)という名前もあるようです。そしてこの「日光」も「月光」も同じ「唐子咲き」ですが、おしべ全体が花弁化している「日光」とヤクの部分だけが花弁化している「月光」があります。
侘助についても興味あることを聞きました。侘助には子房に毛があるそうです。子房に毛があるのはサザンカ。ということは侘助はサザンカとの交雑で生まれた品種ではないかと言われているようです。
今では世界各地でつばきの変種が作られています。
まだまだ謎だらけの椿の世界があることがよく分かる話でした。
ヤブツバキ | ユキツバキ(白)園芸品種 |
本当に今きれいです。梅が終わって、杏が咲きかけていて、桃も桜もしばらくという中で椿が最高です。
絞り・白斑
天ケ下 | 絵姿 | 君待ち | 聚楽 |
唐子咲き
日光かな? | 桃色卜伴か桜蘭花 | 月光 |
黒椿
黒侘助 | 黒百合 |
赤色の椿
覆輪蜀光(ふくりんしょっこう) | 酒呑童子 |
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