飛鳥謎の石造物1

(1)吉備姫王桧隈の猿石 (2)鬼の雪隠・鬼の俎
(3)亀石 (4)飛鳥資料館の石人像と須弥山石
 「飛鳥の猿石」と呼ばれている一群があります。飛鳥奈良時代に明日香地方で造られた石像で、どういう理由でだれが造ったのかが不明なものです。道祖神的なものではないかとか、中国の道教の要素があるのではないかなど言われています。石仏ではありませんが魅力的なものなので、お仲間に入っていただくことにします。

(1)吉備姫王桧隈の猿石

 元禄15年(1702)附近の田んぼから掘り出されたものだそうです。花崗岩自然石を使っています。高さは1mまでのものです。頭部が大きく、頭巾のようなものを被り、裸体で陽物が下腹に見られます。目が大きく、鼻があぐらをかいていて、口が突きだしています。両面に彫られているもの、羅漢さんのようなもの、猿そっくりなもの、頑固親父みたいなもの4つともそれぞれです。

(2)鬼の雪隠・鬼の俎

 この石造物は学問的にはっきりしているようです。説明がありました。古墳の蓋石が転がり落ちたのが雪隠の方ということのようです。でも私は下の説明を何回読んでもどういう風に雪隠が俎に乗るのかが分かりません。
鬼の雪隠 鬼の俎

(3)亀石

 これは亀かヒキガエルか?あなたはどちらに見えますか?基準石か、呪術的意味を持つ記念物か、それも見方色々で想像力をかき立てられる遺物です。
 他にも橘寺の二面石や酒舟石などもあるのですが、又次の機会に訪ねることにします。石舞台から飛鳥駅まで歩いたら疲れました。

2005・9・18(日)撮影
2005・9・21(火)作成

(4)飛鳥資料館の石造物

 これは東京博物館にあるものだと思いこんでいましたので、飛鳥資料館に本物があると分かりぜひぜひと会いに行きました。本物は建物の中に陳列されていました。そしてその説明は分かりやすく説得力がありました。男性像の口のかけている部分に水を吹き出す孔があるのがよく分かります。
 この石人像も下の須弥山石も庭に造られた噴水に使われた石造物であることが明白なようです。明治36年飛鳥字石神出土だそうで、斉明天皇が開いた饗宴で使用された庭にあったようです。

(1)重文石人像(道祖神)

(2)須弥山石

 おかしな形してます。これも噴水施設です。3つの石を積み重ねてあります。

 このページの飛鳥謎の石造物すべて本物の写真です。しかし本物というのはやっかいでなかなか自由に写真が撮れないものです。「飛鳥資料館」には複製品(レプリカ)が庭にありました。こちらの方が分かりやすいのです。例えば吉備姫王桧隈の猿石の裏側は見ることができませんが、資料館のレプリカでは見ることができました。これがおもしろいのです。その紹介は「飛鳥謎の石造物2」にあります。それから飛鳥資料館でもう一つ感動した陳列物がありました。播磨加西市の白鳳時代の石仏「古法華三尊石龕仏」のレプリカです。この写真は「古法華石仏公園」にUPします。

2005・9・25(日)撮影
2005・9・28(火)作成

飛鳥謎の石造物2 日本の石仏めぐり HPへ戻る