願成就院の羅漢さん

静岡県田方郡韮山町寺家83−1

 静岡県の伊豆長岡に「願成就院」があります。新幹線三島駅から伊豆箱根鉄道の「伊豆長岡駅」から車で10分です。このお寺は意味から言うと「願」「成就」「院」ということになるのでしょうか。要するに願い事が叶うお寺ということでしょう。私はもう30年以上前にこの寺を訪れています。運慶の仏像を見るためでした。
 寺の創建は寺伝では聖武天皇の頃(天平時代)だと言うことです。重要文化財の本尊阿弥陀如来像は行基作とこれも伝わっています。しかし近年の研究で平安末から鎌倉時代に活躍した運慶作だとのこと。
 この寺が歴史上特筆されるのは北条氏との関係です。鎌倉幕府初代執権北条時政が頼朝の奥州藤原氏討伐祈願のために建立し、二代執権義時、三代執権泰時の間に次々堂塔が建立されて繁栄を極めた寺なのです。しかしその後次第に寺運が衰えたようです。当時の堂塔は現在何も残っていません。
 私の興味はこの寺に伝わる5つの運慶仏(阿弥陀如来座像・毘沙門天像・不動明王・こんがら童子像・せいたか童子像)です。いずれも重要文化財に指定されています。よく残されていたなあと思います。レントゲン撮影をしたところ阿弥陀如来以外の像内に胎内造像銘札があり、運慶の名が記されていたことにより注目を集めた仏様たちなのです。時の最高権力者の寺に呼ばれ、文治2年(1186)から北条時政が発願した仏像を運慶が作り始めたことを記す塔婆形銘札4枚も重要文化財になっています。
 残念ながら運慶の仏像は撮影禁止ですから紹介できません。
 しかしこのお寺で羅漢さんがたくさん彫られているのを見つけました。愛宕念仏寺と同じような取り組みを現在進行形でしておられました。ここの羅漢さんはなかなか上手です。愛宕念仏寺はリラックスした楽しさがありますが、ここのお寺の羅漢さんたちはまじめに彫刻しておられます。少し腕に覚えのある人たちが彫っておられるように思いました。 

(1)国指定史跡願成就院跡

現願成就院中心に裏山も含めた一帯は京都の浄瑠璃寺など全国で七カ所しかない藤原時代の寺院様式の貴重な遺構として国の史跡に指定されています。

(2)山門と本堂

(3)石彫五百羅漢造立の案内と工房

山門から本堂へ行く道にこの案内板があり、右上の羅漢さんともう一体おられました。これはおもしろそうなことになったなと私は微笑んでしましいました。そして右下の写真のような工房が裏山にありました。

(4)願成就院五百羅漢紹介

(ア)肖像羅漢

まず、本堂左の池のすぐ近くに何かの碑のすぐ近くに固まっておられました。この羅漢さんたちはどっちかというと肖像みたいなもので仏さんではありませんでした。生臭い感じで肖像彫刻レリーフを作ろうとしておられるのかとがっかりしました。それにそのお顔が政治とか経済界で活躍した方々に見えるからかもしれません。

(2)なかなかおもしろい五百羅漢

それは羅漢ではなくて如来とか菩薩だろうとか思うのもあるのですが、彫りたいという気持ちが伝わってくる羅漢さんたちです。これきっと彫るの楽しいだろうなと思いました。愛宕念仏寺はもう境内いっぱいこで羅漢さんが溢れています。だからもう彫れないでしょうけど、ここは下の写真のようにまだ置けますから申し込めば彫れます。私はちょっと遠すぎて無理ですけど。

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