京都雪景色嵯峨・嵐山編

今年に入って雪が降る。雪の嵯峨・嵐山は見たことがない。どんな景色だろうかと出かけてみた。

(1)渡月橋

 JR嵯峨駅を降りてまっすぐまっすぐ行くと桂川フジ原堤へ出る。ここに「花の家」という元角倉了以の屋敷跡だと言われている教職員共済組合の保養施設がある。渡月橋はそこに見えている。
 「あれ?」ゆりかもめがたくさん集まっているなと思ったら、妻と子どもがパンの耳をまいてゆりかもめを集め、それを夫が写真に撮っているという場面に出くわした。便乗して私も撮ることにした。それにしてもゆりかもめは人間を畏れない鳥だ。なぜだろう?ハトでももっと警戒しているのに。
 渡月橋は、嵐山を背景にした橋で名前が美しい。この橋は、十三詣りの時に「振り返ってはならない」と言われる橋である。その法輪寺の塔と渡月橋が写るポイントがあって、シャッターを押した。

(2)小倉山公園

 小倉百人一首の小倉山は嵐山のこの辺りだと言うのを知ったのはいつのことだったかな。ずいぶん最近のことだ。嵐山のボート乗り場から有名な料理屋さんが立ち並ぶ界隈を抜けて、山手へ向かうと公園になっている。ここに周恩来の碑だとか、角倉了以の像だとか、小倉百人一首の碑だとかがある。
 雪の中で梅がけなげにつぼみをふくらましている。

(3)常寂光寺

 さて、ここからどうしようかと迷った。天龍寺へ行くか、大河内山荘へ行くか?結論は、どちらでもない常寂光寺。私はこのお寺を紅葉の時に訪ねてその仁王門附近の紅葉が素晴らしいと思った。雪景色はどうだろうと言う興味が湧いてきて、雪が消えない間に行こうという結論になった。どうもお日様が出てきて雪が長くなさそうなのだ。先ほどから歩く道々、竹につもった雪が、バサバサと上から落ちてくる。キャップをかぶってきて大正解であった。
 この寺は日蓮宗らしい。文禄5年(1595)秀吉建立の方広寺大仏殿千僧供養の時に、開山日しん上人は、出仕に応じなかったというのだから肝が据わっている。最高権力者に媚びを売らず命をかけて筋を通すというのが偉いと、そういう覚悟のない私などは尊敬してしまう。そういう反権力の寺の伝統をこの寺の住職が受け継いでおられるように私は思う。「女の碑」というのがある。市川房枝さん揮毫のものだ。戦争と女の生き方を問う碑だ。そして水俣病の演劇を続けた方を顕彰する碑もある。
 この寺の多宝塔(重文)が美しいことを初めて知った。秋には気づかなかった。何でも江戸時代初期に京都の町衆の大檀那が献じたとか。京都の町衆の財力が想像できる話だ。
 雪の日の木が美しい。何の木だろうか?まるで桜が満開になったようだ。

(4)化野念仏寺

 念仏寺門前参道脇に阿弥陀と釈迦の二石仏がある。京都で有名な石仏二体。たぶん念仏寺の石仏の中では一番有名で価値ある石仏なのだが、だれもじっくり見ようとはしておられない。多分ご存じないのだろう。お寺ももう少し丁寧に説明されたらよいのにと思うのだが。
 二体は花崗岩製。高さ90cm舟形光背を負い、蓮華座に坐す63cmの如来二体である。右が阿弥陀如来、左が釈迦如来。鎌倉末期の作。釈迦如来の石仏は全国的にも珍しいものである。
 このお寺の雰囲気を伝えることが難しいなと思ったことがある。お盆の千塔供養の映像が強烈で昼にとっても「らしさ」が出ないと言うこともあろう。ここに集められたたくさんの石仏は目も鼻も摩滅してしまっている。一体一体を石仏として写真に撮ってもおもしろくないことははっきりしている。かといって、石仏の集合写真を撮ってみたが、そういう場所は他にもある。要するに化野念仏寺でしか撮れないものにならないのだ。
 雪の日に行ってはたして撮れるのかどうか…。

(5)一の鳥居平野屋

 ここは紅葉の時期がいいと思ってきた。しかしながらこの日の平野屋は不思議な光景を見せていて素晴らしかった。雪解けで建物全体から湯気を発していたのだ。そう、発しているとしか言えない
私は、このあと愛宕念仏寺へ向かう。この寺の羅漢さんはいつ行っても刺激を受ける。おもしろい。違うページで紹介しようと思う。
京都雪景色北山編
(金閣寺・竜安寺・光悦寺)
京都雪景色東福寺編
(山門。通天橋・方丈庭園)
京都雪景色嵐山嵯峨編
(渡月橋・常寂光寺・化野念仏寺)
京都雪景色東山編
(清水寺・八坂の塔・妙法寺) 
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