全国作文教育研究in京都の歴史をふりかえる
小宮山 繁
■第25回大会(1976)3530名参加
マンモス集会であった。京都綴方の会はその3年前1973年に発足している。民間教育研究サークル運動が育ってこなかった京都に「日作大会を京都で」という熱い願いのもと結集した諸先輩の願いが実現した大会であった。採用3年目で速報係だった私は、続々届く公開授業・パネルディスカッション・西條昭男の現場からの報告『京都西陣はたの詩』・京大憲法学者川口是の講演などの感想意見に高揚している大会の空気を感じた。
■第33回大会(1984)2458名参加。
高度経済成長から安定成長に移行したと総括される時代であったが、「離婚」「家庭崩壊」「貧困」により「重荷」としか言いようのない生活を抱え苦悩する子どもの姿が顕著な時代であった。こういう教育課題を見すえながら京都は「生活綴方運動の大同団結」を掲げ大会企画を提案した。日作62年方針、系統案実践に対する評価の違いを超えて結集することの大切さを訴え、パネルでは青森・恵那・京都・岡山・常任が登壇した。現場からの報告(小宮山繁『子どもの心にふれて』)講演は吉野弘『私の詩の原点』。
■第49回(2000)1200名参加
「新しい荒れ」「少年事件」「学級崩壊」「いじめ」「不登校」。21世紀になり子どもと教育をめぐる状況はますます困難を極め大きな社会問題となっていた。生活綴方教育は、こういう教育課題に応えうるのか、それが大会企画の基調に置かれるべきだと考え企画提案した。パネルに西條(京都)津田(青森)村山(常任)が登壇。現場からの報告(得丸浩一『子どもと親と教師のイイ関係をめざして』。講演は映画監督高畑勲。分科会構成の変更、3日目を講座にすることも提案。その後これが定着した。
■第64回(2015)
では、京都は今回どういう問題意識で大会を引き受けたのか、大会ニュースで具体的に明らかにしていく。京都大会がおもしろそう!そう思ってもらえたらうれしい。
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