奈良三銘椿を訪ねる

白毫寺五色椿と小仏
奈良三銘椿とは              
1,東大寺開山堂「糊こぼし」…紅色に白い絞りを入れた大輪
2,白亳寺「五色椿」
3,伝香寺「散り椿」…一枚づつ花びらを散らす別名「武士椿(もののふつばき)」
おまけ,春日大社若宮社「若宮椿」

(1)東大寺開山堂「糊こぼし」

 お水取りで有名な東大寺二月堂の西,四月堂の北並びに開山堂があります。東大寺は聖武天皇の発願で建てられた寺院で行基も協力した国家鎮護の大寺院ですから,開山ってだれ?と思うのですが初代別当良弁僧正だそうです。
 この上の写真にある国宝開山堂は宝形造の建物で1200年鎌倉時代荒廃していた東大寺を再建した重源上人が改築された大仏様の建物です。
 そしてこの建物の内陣に国宝良弁僧正座像が安置されており、12月16日良弁の命日に特別開扉されています。
 「糊こぼし」はその開山堂の前にある椿です。四月堂から塀越しに見ることができます。
 そして下の写真は四月堂の床に奈良三名椿の説明といっしょに置いてあった鉢の中の「糊こぼし」です。

(2)白毫寺「五椿

白毫寺は、9月の萩でも有名なお寺です。これは2005年に撮影した椿の写真です。
白毫寺には何種類もの椿が咲いています。山門までの道にヤブツバキが咲いています。そして渡邉武さんが名付けられた「白毫寺椿」(仏さんの白毫のような白い斑が入るところからの命名)。そして三銘椿の1つの「五色椿」。
山門前ヤブツバキ 五色椿
白毫寺椿
(3)伝香寺「武士椿」
武士椿…奈良郡山椿寿庵にて
 伝香寺?どこにあるのか分かりません。見当としては,近鉄奈良駅の西側の道を400mほど南へ下がったところです。行ってみて分かったことですが,この辺りはコイン駐車場がいくつかありますし,路上にパーキングメーターの駐車スペースが多数ありますから,車で行っても置く場所に困ることはありません。
 「奈良花の名所12か月」(山と渓谷社2004年刊)によりますと,この椿は花首をぽろりと落とすのではなく,花びらを一枚ずつ散らすらしいのです。写真ではうすいピンク色をしているようです。伽藍か塔の礎石や石仏の前に咲く「武士椿」…楽しみに出かけました。
 このお寺は,鑑真和上の弟子による創建だそうで,唐招提寺の末寺だそうです。後筒井順慶の菩提を母が弔って,筒井家の菩提寺になったとのことです。
 結論を言いますと,見ることができませんでした。土曜日はお寺を開けておられませんでした。隣の駐車場のおじさんは,日曜日なら開けておられるとおっしゃっていました。私と同じように椿を鑑賞しにこられた方も私同様残念そうに帰られました。そういえば,先の本に「拝観9時〜16時(堂内拝観要予約)」と書いてありました。私が本にある0742ー22−5873に電話しましたら,幼稚園に電話がかかりました。どうも伝香寺が運営なさっている幼稚園のようでした。その時にお寺の電話番号を教えてもらったのですが,タカをくくって大丈夫だろう,拝観できるだろうと思ったのが間違いでした。
 翌週再訪しましたが3月21日で公開終了していました。
 上にある「武士椿」の写真は奈良郡山椿寿庵にあったものです。椿寿庵の先代が伝香寺から直接分けてもらったそうです。伝香寺のものは一度枯れて、その時伏見の方が返されたそうです。「私とこが返さなあかんかなとおもてたんですけど」とおっしゃってました。
 門扉から少し見えているのが「武士椿」なのかなと思いながらお寺を後にしました。
 隣の駐車場に,なにやら由緒のありそうな地蔵石仏がありました。

(おまけ)春日大社若宮社「若宮椿」

 春日大社若宮社石段の前に年を経た椿があります。八重咲きで赤い椿です。「若宮椿」と呼ばれているらしいです。

神光院の山茶花 詩仙堂丈山椿 京都の椿散策2007
四季折々へ HPへもどる