関西花の寺霊場第二十番
天智天皇勅願所・中将姫旧跡(染の井・糸掛桜)弥勒石仏
石光寺(染寺)
寒ぼたん・寒あやめ・ロウバイ・椿
(奈良県葛城市染野387рO745−48ー2031)
お寺の山門に今咲いている花情報が写真付きでお知らせしてあります。お目当ての寒ボタンはもう「残り少なくなりました」とあります。
私は狭い境内にいくつかのワラ苞に囲まれた寒ボタンが咲いているのだろうと、タカをくくって山門をくぐりました。ワラ苞が目に飛び込んできました。見渡したところおおよそ20余り。予想通りだと思いました。
入ってすぐ右手に受付がありました。受付で拝観料400円を払いながら、今しがた通ってきた山門横に咲く椿か山茶花かよく分からない花木が気になり、「あれは、ボタンですか?」と、トンチンカンな質問をしました。「ボタン、ボタン」と思いこんでいて、ボタンもツバキもごっちゃになっています。その花はツバキにしてもサザンカにしてもかなり大振りな花でした。受付の方(ご住職だと思いますが)は、笑いながら「あれは、ツバキとサザンカを掛け合わせたもので、名前はありません。」と教えてくださいました。
(1)石光寺山門附近のサザンカツバキ?
檀家の方がこのツバキとサザンカを掛け合わせたものを作られたとか。私は勝手に「サザンカツバキ」と命名しておきます。12月から3月ぐらいまで花が咲き続けるとか。勢いよく次々咲いていて盛りを感じました。
(2)寒ボタン
さて、いよいよ寒ボタンを見せてもらいます。
寒ボタンを見るのは2カ所目です。京都府立植物園で毎年寒ボタンを見るのですが、私が行く時期が悪いのか、まともに咲いているのを見たことがありません。石光寺のわら苞はごらんのように下に空気通しがよいように切れていますが、府立植物園の方は下まであるようです。はて、どちらが寒ボタンにはよいのでしょうか。
肥料のにおいが強烈にしました。妻が聞いたところによりますと、動物性の肥料に代えてから、花がよく咲くようになったとか。
この石光寺、山門入ったところで見渡して見えたお庭はほんの一部で、奥深く庭が続いています。
かなり広いお庭で、たくさんの早春の花々が咲いています。ずーっと寒ボタンのわら苞が続きます。
お寺に、寒ボタンのことを説明した掲示物がありました。それに書いてあったこと要約します。
@寒ボタンは二期咲き牡丹とも呼ばれ、初冬からぼちぼち咲き始め、12月には見頃を迎える。
A石光寺には36種300株の寒ボタンがある。
B比較的花数の多い見頃と言える期間は12月初旬から1月初旬で、例年一日平均50株ぐらいが咲いている。
C色は、赤・紅・えび茶・紫・黄・白・桃色など
D品種としては、紅色の「大正紅」、赤色の「緋の御旗」、紫色の「時雨雲」「寒紫光」、えび茶の「冬鳥」、桃色の「初日」、白色の「雪重」など。
ついでに「寒ボタン」と「冬ボタン」の違いが書いてありました。
そういえば、石光寺へ行く前にすぐ近くにある当麻寺へ行きました。その奥の院の案内には「冬ボタン」と書いてありました。あまり違いが気になりませんでしたが、どうも違うようです。
■寒ボタン…自然に冬になったら咲く。寒さ対策のためか青い部分を出そうとしない。茎が短く葉はほとんど出ない。
■冬ボタン…春ボタンを冷蔵庫と温室を使って人工的に春夏秋冬をこしらえて咲かせたもの。立派な茎、大きな花、葉が特色。
石光寺では、冬ボタンはありません。
12月末に訪ねたかったのですが、年を越して2月3日になってしまいました。寒ボタンが最高の時期からは、1月半ぐらい遅かったようです。
しかし、この時期の石光寺は、これから紹介する花々も楽しめますから、なかなかオススメです。
(3)寒あやめ
この寒あやめも京都府立植物園や大和文華館で数株見たことがありました。冬に咲く花は印象深く覚えているようです。石光寺の寒あやめは、数株ずつ境内のあちこちに咲いており、受付では700円で一株購入できました。
夏の初めのあやめに比べますとやはり背丈が短く色も大人しいようです。
(4)満月ロウバイ
境内を奥へ進んでいきますと、塀沿いに、椿(侘助他数種)や紅梅とともにロウバイが香りと共に見事に咲いているのが見えてきました。
山門の案内には「満月ロウバイが咲き始めています」とありましたが、もう今が盛りかややその盛りを越えかけているという感じです。
なかなか見事です。ロウバイも種類があります。この満月ロウバイはぷっくりした花です。
(5)椿
山門付近の「サザンカツバキ」だけでなく石光寺のツバキはなかなかでした。まさかツバキが楽しめるとは思いもしませんでした。では、石光寺のツバキです。
詩仙堂の丈山椿と山茶花 | 神光院山茶花 | 2007北野天満宮の梅 |
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2007・2・3(土)写真撮影