祇園祭後祭〈2〉
役行者山護摩焚き

 役行者山は、三条室町上ルにあります。山のある町名が役行者町です。よほど役行者さんとご縁のある町内なのでしょう。山鉾町の中でも鈴鹿山と並び最北端にあります。
 ここで巡行前日に聖護院から山伏がお越しになって、巡行安全祈願をされるという話は聞いたことがありましたが、実際に見るのは初めてです。私はたまたま1時40分ぐらいにここに着いたのです。どうもこれから何か始まりそうな雰囲気がしています。山伏姿の方たちがおられましたし、人も集まっておられたので「ああ、あれか」と思ったわけです。興味津々で見せていただきました。
 室町通りは南北の通りですから西側が日陰。そこはすでに人垣が二重になっていました。私はなぜか空いている東側に場所を確保してから、ここは日当たりがきついから人がいないのかと気づくというアホさ加減でした。
 この日行者さんたちは、午後1時に六角堂を出発し、浄妙山、北観音山、南観音山、八幡山を巡拝した後こちらに向かわれました。
私が着いたとき、「もう着かはるねんけど」と言いながら山伏姿の方がずっと北観音山の方を眺めておられました。
 午後2時10分、ホラ貝とシャンシャンという錫杖の音と共に総勢20数名の僧侶と山伏の方たちが到着され、ご神体に祈祷された後、路上に設けられた護摩壇での護摩焚きが始まりました。
 一行が、注連縄で囲まれた結界の中に入る際、先からおられる山伏が口頭試問をされます。すべてに答えた上で入場が許されるのです。まず「素性」を尋ね、「山伏とは」「修験道の開祖とは」「修験の教えとは」などまるでテンポの早い狂言のようなやりとりだなと思いながら聞きました。きっとあれは必要最小限の知識を町内の人々(特に子ども)に与えるための問答なのだろうなと思い、昔の人はよく考えていたのだなと感心しました。この問答をしておられる様子は私のいた場所からは見えず、マイクを通して聞こえてきました。

護摩焚き再現

 結界 到着   法螺貝 錫杖  着座 
       
 弓を放つ 剣で祓う  斧で祓う  点火  読経 
       
    護摩焚き  
 杉の枝(だと思うのですが)に点火されました。すごい燻りようで日陰の人たちと町内会の役員の方へ煙が向かいました。相当な水をかけた上で点火されたのでしょう。私の護摩木を焚くイメージは、勢いよく炎が上がるというものだったのであれ?と思いました。しかしよく考えたら町のまん中でパチパチ燃え上がるような炎を上げたらえらいことです。きっとこの神事(仏事かな?)も消防署など各方面と連絡し相談した上で実施されているのでしょう。

役行者山巡行当日

   

2014・7・23及び24撮影
2014・7・26作成

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