祇園祭(後祭)〈3〉
大船鉾船出!

 2014年の祇園祭最大の関心は大船鉾。7月23日(水・後祭宵山)24日(木・後祭巡行日)大船鉾を追いかけました。

■7月23日(水)宵山午前中

     
 大船鉾は四条新町下ル四条町にあります。このすぐ南に船鉾町があり、船鉾は前祭の最後を飾ります。神功皇后の出陣説話が由来で出陣船鉾と言われました。大船鉾は凱旋説話が由来ですから凱旋船鉾という言い方もされたようです。
 大勢の人でした。特に鉾の上に上がりたい人の列が長く続いていました。
 白木のままです。たぶんこれから漆が塗られたり、欄縁がしつらえられたりしていくのでしょう。胴懸や組紐や角金具も残されているものがきっと少ないのだと思います。 これは聞いた話ですが、車輪が間に合わなかったので菊水鉾からお借りになったとか。そういえば車輪に割れがあるのではないかと心配しながら見ていました。
 それにしても「神事執行中ニ付 車馬ノ乗入ヲ相禁ズ 四条町」を大船鉾が掲げておられるのがおもしろい。きっと昔この文句を掲げていたという何か資料があったのでしょう。

■7月24日(木)巡行当日

 9時半巡行開始。さてどこで巡行を拝見するか考えたのですが、烏丸御池の出発点に決めました。私は9時過ぎに到着しました。すでに大勢人がおられました。一重目の人垣はできあがっていて私は二重目で見ることにしました。すでに後祭り一番橋弁慶山は、烏丸御池の交差点付近に待機し、その後を北観音山が並び、その後ろに八幡山、そして南観音山、それからちょうど新町交差点で大船鉾が最初の辻回しをしようとしているところでした。
 最初御池通りに並んでいるのは、橋弁慶山は別にして、新町通にある山、曳山そして鉾のようです。一番北にある八幡山が先に御池通に入り、後からくる北観音山に道を譲った後、南観音山との間に入ったようです。北観音山と南観音山は曳山ですから新町で辻回しして入ってきたと思われます。これは新町御池で見た方が良かったかもしれないと思いました。そしてその後ろに大船鉾です。
 その後、黒主山、鈴鹿山、浄妙山、役行者山、鯉山の各山は烏丸通りから西へ向かい、最初に並んでいた山鉾の間に入りながら出発していきました。最後にいよいよ大船鉾が近づいてきました。
 私は大船鉾の後を追いかけるように御池通を歩き途中で追いこして河原町で待つことにしました。巡行途中にガタンガタンと鉾に木を入れています。何をしているのかと思ったのですが、どうやら微妙に角度を変えて、鉾が真っ直ぐ動くように微調整しているようです。何せ大船鉾は幅が狭く高さがあるように見えます。そのためかよく揺れているように思いました。河原町御池はすごい人出でした。
 河原町御池で見送った後、もう帰ろうかと思ったのですが、辻回しが見たくて、四条新町まで先回りして待つことにしました。四条河原町はどうしようもないぐらいの人だろうと思ったのでパスしました。寺町を南へ歩いたら、丁度花笠巡行と出会いました。これも初めて見ました。
 
 四条新町で辻回しを見ました。割竹が引いてある場所へ鉾を動かし、二本の綱でバランスをとりながら曳いて方向転換します。直角に回すのです。滑らせて無理矢理角度を変えるのです。一度に30度ぐらい回し3回で方向転回していました。よく鉾がこけたり傷んだりしないものだと思いました。鉾が動く度に拍手が起こりました。囃子方はずっと演奏を続けました。「エンヤラヤー」のかけ声で鉾が新町を南下し始めるとひときわ大きな拍手が起こりました。 

2014・7・23及び24撮影
2014・7・29作成

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