京のじゅばん&町屋の美術館
祇園祭(後祭)〈4〉
鉾見台のある紫織庵
 
(京都市指定有形文化財)

 NHKの番組「美の壺」をよく見ます。私の記憶でこの1年ほどの間に紫織庵が二度出てきました。最初印象に残ったのは鉾見台のある武田吾一設計の洋館建築の紹介でした。二度目は「浴衣」の紹介で、この紫織館の本業である型友禅の浴衣の紹介。
 「祇園祭を楽しむための鉾見台のある洋館」…「狭い前の通りを通る鉾を高い位置で見物するための鉾見台」…そんな建物どこにあるのかなと思いながら見てました。
 後祭巡行前日新町通を北へ歩いていて八幡山がある西側にあることを見つけました。「あ!ここや」と思って近づいていったら、500円で拝観できるとわかりました。写真撮っても良いのか聞いてみましたら「屏風以外はOK」とのこと。「もっと宣伝してください」とおっしゃり、HPで紹介することにもOKが出ました。

入口門

 

洋館外観と美しい石畳

 門から玄関までの石畳が凝っていて美しい模様になっています。洋館の外装は旧帝国ホテルと同じ石灰岩とタイルが貼られたもの。川崎家の迎賓館として使用されてきたそうですからそれだけのこだわりがあるようです。武田吾一と特別なつながりがあっての建物なのか受付の女性に聞いたら、「吹田にも個人宅がありますから…」とのこと「要するにお金を出せば設計もしてもらえたということですね」と念を押すと「そうですね」とのことでした。「建築された当時の羽振りの良さが分かる話ですね」と言いました。
 

洋館紹介

 1F洋間(格天井・寄せ木貼り床・電熱式暖炉・チーク材)
 
2F洋間サロン(20畳・暖炉・ステンドグラス・寄せ木細工床・鎌倉彫壁)
 

私はこのサロンで、わらび餅とアイスコーヒー1000円というセットメニューをゆっくり味わわせてもらいました。

鉾見台

 洋間サロンから廊下を抜けると、鉾見台へ歩く橋のようなものの向こうに鉾見台が見えました。八幡山の提灯も見えます。鉾見台に乗って鉾が見たい人は事前申し込みが必要だそうです。

明と暗の妙

 

お庭拝見

 広縁に使われているガラスはすべて建築当初の「波打ちガラス」で一枚も破損していないそうです。

 和室もいいのですが、和室は屏風祭りが行われていて写真が撮れません。洛中洛外図屏風、竹内栖鳳の欄間等もあります。蔵には大正時代の型友禅の展示が行われていました。大正ロマン時代のデザインがなかなかオシャレでモダンでした。おもしろい展示だと思います。初めて知ったのですが長襦袢という言葉は南蛮文化の影響で外来語のようです。知りませんでした。

2014・7・23及び24撮影
2014・7・30作成

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