都七福神巡り

◇都七福神について

 古来よりの庶民信仰の中でも七福神即ちゑびす神、大黒天、毘沙門天、弁財天、福禄寿神、寿老神、布袋尊はお祝いごとには、必ずと云ってもよいほど顕現され、日本、中国、インドの神々がうち連れて人々に幸運をもたらすと云う。
 我が国には神仏混淆の例は多いが、これは、大自然に生かされている人間が極限の願いを神々に託して、お救い賜ろうとする庶民の切実な願いの表れであり、この神々に祈願して七福神の功徳力により、色々な災禍を転じ福運を授かりきびしい人生の海路を行こうとするものである。
 七福神は京都が発祥の地で、都七福神は歴史的に古くより崇敬を集め年々盛んになっております。
 正月二日の夜、宝船に乗った七福神の絵を枕の下に入れて寝ると縁起が良く、新春に巡拝するのが古くより行われた七難即滅、七福即生極まりなしと申します。
 どうぞ、都七福神を巡拝されまして福運をお授かり下さい。

「都七福神由来」(都七福神御宝影聚)より

◇色紙七福神

 

◇都七福神はどこに?

七福神のお名前 祀られている神社お寺 場所及びアクセス
ゑびす神 ゑびす神社 京都市東山区大和大路通り四条下ル
京阪四条駅下車東一筋目南
大黒天 松ヶ崎大黒天 京都市左京区松ヶ崎東町31
叡山電鉄修学院駅下車西へ
地下鉄烏丸線松ヶ崎下車北へ
毘沙門天 東寺 京都市南区九条町1
近鉄東寺駅下車九条通を西
弁財天 六波羅蜜寺 京都市東山区松原通大和大路東入ル2丁目
京阪五条駅下車東へ大和大路を北へ
福禄寿神 赤山禅院 京都市左京区修学院赤山町
叡山電鉄修学院下車東白川通りへ北に上がって
音羽川に沿って東へ(かなり距離あり)
寿老神 革堂 京都市中京区寺町通り竹屋町上ル
京阪丸太町下車西へ寺町へ出て南
布袋尊 万福寺 宇治市五ヶ庄三番割
京阪宇治線かJR黄檗駅下車案内に従えばすぐ

◇都七福神への略図

◇都七福神「先達」になると

「都七福神御宝影聚」表紙 大願成就巡拝結縁日記載ページ 先達の袈裟
 最初の年に、「御宝影聚」という朱印帳を買いました。これに各寺院や神社で御宝影の入った紙に字を書いていただいたものを付け加えていきます。それをいただくのに1カ所300円納めます。1回7カ所巡ると最後の所の福神の色紙がもらえます。だから1回毎に最後に参拝する場所を変えました。7枚集まったとき、つまり7カ所の七福神を7度巡ると大願成就となります。私は昭和64年(平成元年)から7年かかって平成7年に大願成就となりました。毎年1月1日元旦に巡ると決めていました。最初の年だけ時間の加減が分からず遅く出かけたので万福寺だけ3日になりましたが。そして大願成就になりますと、「先達」として、「袈裟」がもらえます。これは都七福神事務局がゑびす神社にあるのでそこでいただきました。「先達」の方達の「先達会」のご案内をいただいたことがあるのですが行きませんでした。どんな会なのでしょうか。
 さて、大願成就して何か変わったかと申しますと別に何かが起こったわけではありません。まあ、気持ちの問題ですからそれはそういうものです。

◇「都七福神御宝影聚」の紹介

お名前 御宝影 御朱印
ゑびす神ゑびす神社
大黒天
松ヶ崎
大黒天
毘沙門天
東寺
弁財天
六波羅
密寺
福禄寿神
赤山禅院
寿老神
革堂
布袋尊
万福寺

◇各神社・寺院からのメッセージ紹介
事務局発行のチラシより

神社・お寺 説       明
ゑびす神社  「京のゑべっさん」「商売繁盛」の守り神として有名で、笑をたたえ、鯛をかかえられたお姿は庶民の神として愛され親しまれています。1月の十日ゑびすは特に賑わいます。
 日本の禅の祖栄西禅師が、中国へ渡られ無事帰朝され、お祀りになった故事から旅ゑびすとも言われ「交通安全」の神として多くの信仰があります。
松ヶ崎大黒天  古くより、「松ヶ崎の大黒さん」と親しまれ松崎山妙円寺と号す。日蓮宗に属し、元和2年(1616)の建立である。大黒天像は、伝教大師一刀三礼の御作、立正大師甲子年月日のご開眼、開山日英上人のご感得にて福運を授ける神、その真言をノウマクサンマダボンノンオンマカカラヤソワカと云う。その御誓願を『慈眼視衆生、福寿海無量」と云い、開運招福の福神。七福神の霊場として本尊の威徳を慕い広く世に信仰せらる。
 御縁日は甲子(きのえね)祭(60日に1回)の年6回と正月初子の日などで、ご祈祷が行われ、ご幣が授与される。どうぞ御参拝をおすすめします。
東寺  当山の毘沙門天は弘法大師が入唐の際に感得されたものである。菅原道真公もこの毘沙門天に祈願されたことから後に文章博士になる道が開けたという。
 また、小野道風も毘沙門天のお告げにより“三蹟の一人”となったといわれている。さらに白川法皇の中宮賢子も毘沙門天参籠中に、夢のお告げで無事男子を安産された。
 無量の知恵で、学業成就を、又婦女子には安産の信仰を集めている。
六波羅蜜寺  七福神の中、唯一の女神である、弁財天は水を神格化し、八臂のお姿で、十五童子八万四千の眷属を従え、あらゆる財宝、すばらしい知恵を授けんとの御誓願で、現世に生かされている全ての存在は、愛別離苦(愛するものともいつかは分かれなければならない)、怨憎会苦(いやなことにも会わなければならない)、あたかも清き水は全ての汚れを清めるときはなされる。祈れば祈るほど御利益がある。
 六波羅探題を開いた歴代将軍は当山の弁財天を祈願所と定め、以来、讃仰される皆様の香煙が絶えない。
 特に六波羅蜜寺で授与する御寶袋守りには、開閉の時三度弁天様の御真言「オンソラソバテイエイソワカ」を唱えると福運が入ると喧伝され、授かる方で正月は賑わう。
赤山禅院  当院は慈覚大師の御遺言によって創建され、天台宗総本山、比叡山の由緒高い塔頭である。
 御祭神赤山明神は、中国の泰山府君、すなわち南極星の精であり、京都御所の表鬼門に祀られ、方位の守護神として、古来朝野の厚い信仰を集めている。
 福禄寿神は実に、泰山府君の別のお姿で、幸福、高禄、長寿の三徳を与えられるので、商売繁盛・延寿健康・除災を祈願する人が、新緑紅葉両季の楓の観光客と共に跡を絶たない。
 因みに、福禄寿神は、長頭白髭老道士のお姿で親しまれ、経巻結んだ杖を携え、鶴を従えていられる。
革堂  当寺は平安時代初期、行円上人の開基で、観音霊場西国三十三カ所の内第十九番の札所です。
 元は一条通にありましたが、太閤秀吉公が天下太平福寿円満を祈るため現所へ移築し、境内に南極寿老神と北斗鎮宅霊符神の尊像をお祀りされました。
 爾来、福寿の霊験あらたか、初詣、月詣りの人々で賑わっています。当所では長寿秘守と長寿お宝杖を皆様にお授けしております。
 古来より寿老神様御真言「オンバサラユゼイソワカ」を日に三度唱えると福寿吉運が授かると言われております。
万福寺  洛南の名刹、宇治の黄檗山万福寺は三百数十年前、中国僧の隠元禅師によって開創された黄檗宗(禅宗)の大本山である。
 隠元は、中国明末の高僧で中国福建省福州の黄檗山萬福寺の住持であったが、日本からの招きで、多くの弟子を伴い来日された。
 後水尾天皇、四代将軍家綱の尊崇を得られ、現在地(寺域十万坪)が与えられて、この明朝様式の禅寺が建立された。
 隠元禅師の来日は、日本仏教に新風を吹き入れるとともに、いろいろな文化(建築、仏像、書画、普茶料理など)がもたらされた。
 中でも、茫道生作の布袋像は、特に傑作で七福神の一人として崇められている。
 2003年版の七福神巡りです。
 久しぶりに巡りましたら私がいただいた「先達」の制度は無くなっておりました。色紙や掛け軸朱印帳を持ってみなさん巡っておられました。 

◇ゑびす神社

ゑびす神社鳥居と入り口 前の熊手にお賽銭を! ゑびす神社本殿
ゑびす神・・・誠実にして律儀なる 商売繁盛の神(東寺で購入の『開運七福神ストラップ』の説明より)

◇松ヶ崎大黒天

松ヶ崎大黒天山門から 松ヶ崎大黒天本殿
大黒天・・・良き生活を求めるなら勤勉たれ 富裕と勤勉の神 

◇東寺毘沙門天

国宝五重塔 東寺名物「弘法市」 毘沙門堂
毘沙門天・・・ここ一番の時には毅然とした態度 勇気を与えんとする神。
四天王の時には多聞天とも言う。
        *これは落語で聞いたのだが使いがムカデで弁天さんと夫婦だという。
東寺は立体曼荼羅の仏像群が圧巻の迫力である。  

◇六波羅蜜寺弁財天

*六波羅蜜寺は京都落語地図「幽霊飴」でも紹介してます。
この寺には運慶像や空也上人像など鎌倉時代の仏像名品が宝物館にある。
六波羅蜜寺入り口から本堂 金ぴかの弁財天がおられる
弁財天・・・学ぶことは重要なりこれ人生の力なり 知識才智の神

◇赤山禅院福禄寿神

赤山禅院入り口 福禄寿神のおられるお堂 福禄寿人形
福禄寿・・・人には徳を積むことが必要である 延命安泰の神

◇革堂寿老神

寺町に開いた革堂入り口 寿老神のおられるお堂
寿老神・・・健康であることを歓びとせよ 健康と長寿の神
革堂は六角堂同様、都の町堂として開かれた寺であり、西国霊場の一つ。

◇万福寺布袋尊

万福寺山門 万福寺総門

万福寺概略

 1654年(江戸時代)中国福建省から渡来した隠元禅師が後水尾天皇や四代将軍家綱の尊崇を得て1661年に開創した中国風の寺院。日本三禅宗(臨済・曹洞・黄檗)の一つ、黄檗宗の大本山。
 中国の明朝様式の伽藍配置であり、仏像も明朝のものである。毎日よまれるお経は黄檗唐音で発音し、中国明代そのままの方式梵唄を継承している。
 創建当初の姿をそのまま伝える寺院は日本では他に例がない。
 23棟の主要建物・回廊・額などが重要文化財に指定されている。
 仏像の配置もここ独特である。天王殿では布袋尊と四天王そして裏側には韋駄天が祀られている。大雄宝殿(本殿)の本尊は釈迦牟尼佛で両脇時は迦葉、阿難の二尊者(釈迦の弟子・・・これ考えると合理的である)。そして釈迦三尊を取り囲むように十八羅漢の像がある。
布袋尊・・・広き心寛大の心が和をもたらすに重要なり 平和の神
天王殿 天王殿の布袋尊(弥勒菩薩の化身)
十八羅漢の一人釈迦の息子
仏心を持って生まれることを表現
韋駄天
ご存知走りの速い仏
開梛・斉堂前にある魚形で木魚の原形 万福寺山門の額(隠元筆)
大雄宝殿(本堂) 万福寺開山堂
都七福神巡り(1月) 京都泉涌寺七福神巡り(1月) 節分追儺式(2月)

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