大分の石仏シリーズ6

大分高瀬磨崖仏

 大分川支流七瀬川右岸にある高瀬磨崖仏は、石窟形式の磨崖仏です。凝灰岩を彫り込んだ石窟は高さ1.8m幅4.4m奥行き1.5mの規模で、この中に五像が彫り出されています。
 中央大日如来、その右に如意輪観音そして右端に馬頭観音。左に大威徳明王そして一番左に深沙大将という5像です。こういう組み合わせは見たことがありません。
 高瀬磨崖仏は平安時代後期12世紀後半の制作とされています。

(1)高瀬磨崖仏全体

(2)高瀬磨崖仏五像

(1)深沙大将像 (2)大威徳明王像
(3)大日如来 (4)如意輪観音
(5)馬頭観音

(3)深沙大将像のこと

深沙大将は玄奘三蔵法師が仏典を求めてインドへ往復した時に砂漠に現れて守護した鬼神だと言うことです。
逆立った髪の毛、ドクロの首飾り、手には蛇がからみついています。お腹の女性は優しさの表現とか。

(4)阿弥陀三尊

石窟の右手崖面に阿弥陀三尊のガンがあります。一本の茎から三つに分かれた蓮華の上に阿弥陀三尊が座るというこの形式は一根三茎仏と言うそうで、7世紀後半白鳳時代盛んに行われました。しかしこの豊後地方では平安時代後期になっても行われていたことを表しています。

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