道後温泉本館

愛媛県松山市道後湯之町

 ここは究極の銭湯です。
 どこの銭湯がすごいと言って、ここよりすごい銭湯はありません。私今回で3回目なのですが、行くたびに感心します。建物がすごい!(重要文化財が4棟)重要文化財を保存するのではなく現役で使用し続けているのがいい!いろいろなランクのコースが用意されていますが、本物の温泉で300円は安い!!朝6時からの営業というのもすごい(夜は11時)!!!地元の人は65歳以上の人が半額。80歳以上の人は無料というのがいい!!!!一日平均3000人が入浴するというのがすごい!!!!!松山市がやってるようです、この銭湯。
明治27年建築・平成6年重文指定 現入口付近。最初は北側だったらしい。

□道後温泉

 風土記などにも出てくる歴史を誇る日本最古の名湯。ケガをした白鷺がこの温泉に足を浸していたら、傷が完全に癒えて元気に飛び立ったという言い伝えがある。振鷺閣の鷺はこの話に由来する。
 風土記では大国主命が重病の少彦名命を養生させたという。聖徳太子、一遍上人、一茶なども訪れている。夏目漱石が松山に来たのが明治28年というからこの道後温泉本館が出来てすぐのこと。漱石が「坊ちゃん」に紹介して一躍有名に。
三層楼の建物 屋上に振鷺閣(しんろかく)

□振鷺閣と刻太鼓

 振鷺閣は宝形造りで銅板葺きてっぺんに鷺をいただいている。建築当時は斬新な設計と費用がかかることで物議をかもした。しかし、町の火災警戒の火の見櫓という名目で納得された。振鷺閣は赤いギヤマン張りで、中に太鼓がある。夜になると中央天井のつりランプをともしたことから、それが赤いギヤマンに反射し、ネオンのない当時湯の町の夜空に異彩を放ったという。太鼓は朝6時に6回、正午に12回、夕方6時に6回、ドーンドーンと叩くらしい。環境庁の“残したい日本の音風景百選”に選ばれているという。

□かばのしっぽ入湯記

 雪がちらついています。
 午前9時半に奥道後から道後温泉本館に到着しました。いつも温泉へ行ったら朝も入浴するのですが、今日は道後温泉本館を一番に訪れることにしていたので省略してました。一通り建物を見て回りました。
 裏手に皇室専用の建物があります。表の建物も立派ですがこれはまた何というかすごい。銅板屋根が緑青をふいていて美しい。
 この道後温泉本館には「神の湯」と「霊(たま)の湯」という2つの湯があります。そして2階でお茶やお菓子をいただいたり、3階で個室を使ったり、皇室専用の「又新殿(ゆうしんでん)」を見学したりするなど4コースあります。値段も1240円が一番高く、私がいつも選ぶ「神の湯」階下コースというのが一番安く300円です。
 風呂は入るもので見学するものではないと私は思います。入れてもくれない風呂を見せていただいてもありがたいこともないので見たことありません。「霊の湯」に入るにはもう少々お金が必要なのですが今度行ったときに入ろうと思います。
 「神の湯」は男風呂と女風呂で少し構造が違うようです。男風呂は脱衣場は一つで、東浴室と西浴室の二つの浴室があります。東浴室も西浴室も正面真ん中にどーんと庵治石の湯釜があります。東浴室の湯釜には山部赤人の長歌が彫ってあり、大国主命が少彦名命をだっこした彫刻がしてあります。そしてタイル絵は白地に藍色の上品な色のもので鷺が足の傷を治しているところの絵です。西浴室も同じような構造ですがタイル絵や字が違います。湯釜の前に浴槽があります。これが熱い!!!気合いを入れて入っていたら暖かくなってきました。湯が美しい。何でかなと、ふろがまちに腰掛けて観察してました。この浴室の床、そして浴槽の中は全て青御影石です。これが透明な湯を引き立たせています。この青御影の浴槽いいなあ。壁面は黒御影です。床の御影石が暖かくそこにお尻をおろしていても暖かく気持ちがいいのです。
 私は午前10時ぐらいに入浴してるのですがそこそこ人が入っておられます。地元のお年寄りがいつもの入り方で入っておられます。青御影にひっくり返って体操しているおじいさん。湯口から出ている湯を肩にかけておられる方。湯口の大国主命を丁寧に湯をかけて洗って拝んでおられる方。のんびりした時間が流れます。元の源泉にはマークが青御影に入れてありました。天井の湯気抜きから入ってくる自然光もいい感じです。朝風呂の醍醐味味わわせていただきました。
 けっさくな注意書き発見。「坊ちゃん、およぐな!」なかなかやりますな。
 道後温泉本館から出てもう一度ふりかえってこの建物見ました。「そうや、これは『千と千尋の神隠し』に出てくるあの銭湯『油屋』に似てる、と思うのは私だけかな。
 ちなみにここの温泉の泉質は硫黄を含むアルカリ性単純泉だそうです。

2002/12/28(土

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