大分の石仏シリーズ8
国東半島のお寺を巡って来ました。国東には重要文化財「熊野磨崖仏」などの石仏だけでなく、国東塔他多くの石造美術がありました。国東半島めぐりは「神と仏と鬼の里めぐり」だと書いてある本を見てなるほどなあと思いました。
(1)両子寺の仁王像
国東半島のお寺に着きますと迎えてくれるのがこの石の仁王さんでした。山門の中におられる方もあれば、そうでない方もおられて色々です。何でも国東半島には130もの石の仁王さんがおられるそうで、その数は大分県が圧倒的に多いそうです。私は国東の仁王さんはリアルな怖い仁王さんと言うより、ユーモラスな仁王さん、かわいい仁王さんだなという印象を持ちました。
この両子寺(ふたごじ)の仁王さんは2.5mと国東半島最大の仁王像です。両子寺のこの仁王さんは、19世紀はじめ江戸時代末期の作だそうです。
向かって右、口を開いておられる方が“阿形”で、向かって左の口を閉じておられる方が“吽形”です。阿と吽一対で仁王さんです。「阿吽の呼吸」は、仁王像からの言葉だそうです。
なかなか魅力的な羅漢さんたちがおられました。
(1)重文国東塔
弘安6年(1283)銘のもので、銘文のある国東塔の中で最古のもので、重要文化財に指定されています。 |
(2)釈迦と閻魔の石幢
六地蔵さんに混じってお釈迦さんと閻魔さんがおられました。極楽のお釈迦さん、地獄の閻魔さん、中を取り持つ六地蔵さんといったところでしょうか、おもしろいなあ。
石幢全体像 | 閻魔さんとお地蔵さん | 地蔵さんとお釈迦さん |
川の中にあるので川中不動尊…分かりやすい命名です。不動三尊形式で2m70cmの大きさがあります。16世紀後半の作ではないかと推定されています。
(1)国宝・富貴寺大堂(阿弥陀堂)
九州最古の和様建築物の大堂。中の阿弥陀如来座像は重要文化財。平安末期阿弥陀信仰全盛期の建立で、総白木(榧)造りです。上品なお堂だなと思いました。国東のお寺はあまり観光客が集まる感じはないのですが、ここはさすがにバスが停められるような駐車場そして門前にお店があって京都の観光寺院を見慣れている私は少し懐かしい気分になりました。
(2)十王像
富貴寺には国東塔をはじめ笠塔婆・五輪塔・板碑など境内いっぱいに石造美術品があります。私はその中でこの十王像が心に残りました。
真木大堂には立派な九体の木像があります。四天王立像・阿弥陀如来座像・不動三尊像と大威徳明王像で、いずれも重要文化財です。いずれも藤原時代のもののです。大威徳明王は火焔光背を背負い六面六臂六足で牛に乗った姿で、日本一大きなものです。
この真木大堂前の電話ボックスがなかなかのものでした。何と仁王さんなのです。私おそらく電話ボックスそのものがなくなる時代が来ると思うのですが、この電話ボックスもいつまであるのかなと思いました。
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