伏見ぶらぶら38

化粧するお地蔵さん巡り

 化粧するお地蔵さんって?
 以前、伏見のお地蔵さん(伏見六地蔵巡り)というページを作りました。これは伏見でも有名なお地蔵さんで「…地蔵」と名前が付いているものです。中には重要文化財、登録文化財だったりのもあります。同じ時期に「京の六地蔵巡り」も作っています。これも先に同じで有名なお地蔵様巡りです。
 このページに出てくるお地蔵さんは、そんな有名どころのお地蔵さんではない各町内のお堂(辻堂)のお地蔵さんです。名前は私が勝手に付けたもので正式なものではありません。きっと各町内の「地蔵盆」で活躍しておられるお地蔵さんだと思います。
 辻堂があっても、そういう信心のないものは無視して通り過ぎます。しかし、一度拝んで見られることをお勧めします。なかなかのアートです。かなり厳重に開かないようにしてある辻堂もあります。
 私も本当は、よだれかけを外して拝みたいところです。が、以前よだれかけを外そうとして、ヤモリが出てきたり、大きなクモが這い出したりした経験があって遠慮しています。
 私の見るところ、お地蔵さんだと言ってるけど、実は「阿弥陀如来」が大半ではないでしょうか。各ご町内がどういう経緯でお祀りになるようになったのか全く分かりませんが、それぞれの信仰の歴史がある仏様です。、

①ポップアート地蔵

 最初イエスとマリアでキリスト教?まさかと思いました。
 まず、金髪にびっくりしました。
 着衣も何となく西洋風です。
 お二人はペアのようです。
 しかし、お地蔵さんは妻帯しないでしょうね。
 お顔がかわいい!左の方は、右上を見ておられます。左の方は左上をご覧になっています。
 原色を使った斬新な色づかいは何とも奇抜です。どちらかというとチベット仏教のような感じで、西域の大乗仏教を意識されたのかなと思いました。 
    上の写真のお地蔵さんとこのお地蔵さんは上下二段の同じ辻堂におられます。 これもカップルを意識した色づかいだと思われます。
 お地蔵さんもこうなると現代ポップアートです。
 ほぼ顔や体に起伏がないのですが、もともとは阿弥陀さんではなかろうかと察しています。
 お化粧されたのはおそらく女性ではないでしょうか。お顔がそのようです。 

②宇宙服地蔵

 笑っておられます。
よだれかけの下は見ませんでしたが立っておられるのではないかと思ったり、あるいは座像で、蓮座に座っておられるかもしれないと思ったり。
 頭が金髪!?
 はりこんで、おめかしされたようです。頭が螺髪であるところから察するに、この像は地蔵ではなく座像の阿弥陀さんだと思います。
 花崗岩というのは脆くて簡単に凹凸が消えるのですね。だから自由にお顔も描けるし、体に色も塗れます。
 私は宇宙服みたいな模様だと感じたのですが、これはよだれかけかもしれません。布のよだれかけをとればわかるのでしょうけど。

③坊や地蔵

 このお地蔵さんもきっと阿弥陀さんだとお思いになってお化粧されたと思われます。
 頭は黒々してますから、螺髪を意識しておられます。
 しかし、阿弥陀さんもこんな若くかわいいぼっちゃんになるとは、思っておられなかったでしょう。
 前に格子があり、外すのがためらわれました。そのためまるで「牢獄に入れられた、ドラえもんjみたいな服を着た坊や」状態です。
 この辻堂にはもう一体おられました。それも剃髪したかわいいお顔のお地蔵さまでした。

④チマチョゴリ地蔵

 このお地蔵さんは、どう見ても朝鮮の女性の民族衣装チマチョゴリを身にまとっておられると思いました。私、韓国の歴史ドラマが好きでよく見るのですが、こういう感じの頭で衣服の女性が市場などで働いています。
 首にネックレスしています。
 胸の表現は明らかに女性を表現しているように思います。
 手は合掌しています。定印ではないようです。
 目鼻立ちが小ぶりで上品なお顔です。
 女性の仏様…弁財天、吉祥天、善女竜王、いずれでもなさそうです。
 蓮の花の上に座っておられるチマチョゴリの仏様。
 それにしても今までご紹介したご町内はいずれも寛容でいいなあと思います。
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