松花堂美術館つばき展
(京都府八幡市八幡女郎花43 電話075−981−0009)

 美術館の方から昨年12月に以下のようなメールをいただきました。
 「(前略)当施設では、毎年4月初旬に椿展を開催しております。内容は、椿の切り花をおよそ400種の展示のほか椿づくしのお茶会や、椿に関する売店、鉢植えの販売などです。来年は3月31日〜4月2日を予定しています。是非、一度お越しいただき、ご意見を頂戴したいと願います。また、広報宣伝に使用する写真をホームページから借用させていただきましたら、ありがたいです。今後ともよろしくお願いします。」
 これは、ぜひとも行かなければと、2006年4月1日(土)八幡市立松花堂美術館へつばき展へ行ってきました。下のポスターが素敵でした。
  京都府八幡市は、市の花木としてつばきを選定しているようです。なぜ八幡市がつばきを市の花木にしたのか、八幡市のHPにこのように説明してありました。「市内には多種多様な椿の名木が多数あることや市内外から多くの来場がある「松花堂つばき展」の毎春の開催などで、市議会に「椿を八幡市の『花木』とする請願書」が提出され、全会一致で採択されたことから市制施行25周年を記念し、「市の花木」として制定しました。(平成14年11月1日制定)」 

男山の椿

つばきの魅力を引き出す演出

 私は最近、つばきという花は木に咲いている時より、花器に一輪入っている時の方が魅力的なのではないかと思っています。椿は、木全体としては桜や梅の豪華絢爛さには及びません。しかし、一輪だけならつばきの方が美しい思うのです。「木」の「春」で椿、いや「春」の「木」で椿なのかも知れません。つばきの究極の鑑賞法は、お気に入りの花器に一輪だけさして床の間に飾る…だと思うのです。
 この松花堂美術館のつばき展では、つばきの美しさや魅力をどのように引き出すかを楽しんで開催されているように思いました。竹と組み合わせる、花筏に浮かべる、藤蔓のリースに飾るなど。そしてフラワーアレンジメントや盆栽、生け花「民具とつばき」などの試みが行われていました。盆栽は別にして何れもつばきの一番美しい状態を活けなければなりません。これは難しいだろうと想像しました。私は写真を撮ってみて、最高に美しい状態のつばきがいかに少ないかを知りました。少し花びらが変色している、おしべが変色している、花の開き具合など種類によりますが、なかなか最高の顔を見せてくれない花です。

心に残ったつばき

 つばき展会場及び庭園内に外国のつばきを含め多数のつばきを見ることができました。外国のつばきは、これはつばきなの?と思うような豪華な大きいものがあります。カタカナの名前を見ただけで私は覚える意欲をなくすのですが、「カメリア」がつばきのことだそうです。上の写真の真ん中は外国種だと思います。まるでツツジの仲間のようでした。そして黒色に近いものです。
 葉を楽しむつばき愛好家の方もおられるようで、キンギョとか圓とかも見せてもらいました。
 盆栽のコーナーでは育てておられる方が解説されていました。聞かせていただいていると楽しかったです。持ち主の方は「すごいですね」と言ってもらってとてもいい気分で解説されていました。中にすごく盆栽に詳しい方がおられたりするとなかなかの駆け引きになって、お互いの知識の競い合いみたいになり笑ってしまいました。

松花堂庭園にて

(1)謡曲「女郎花」の女塚

 美術館のある場所が「京都府八幡市八幡女郎花(おみなえし)」なのですが、松花堂庭園に「女塚」がありました。以前に「八幡の銭湯」で「男塚」のことやお話のあらすじを書きました。興味のある方はご覧ください。

(2)昭乗垣

 この庭園松花堂という名前のもとになっている石清水八幡宮の社僧である松花堂昭乗(1582〜1639)は、江戸初期寛永の三筆(近衛信伊・本阿弥光悦・松花堂昭乗)の一人とされ書画や茶の湯に優れていました。千宗旦、小堀遠州、石川丈山、沢庵、淀屋などと交流があり、松花堂は文化サロンであったようです。同じ三筆の一人本阿弥光悦も「光悦垣」を残していますが、松花堂昭乗も「昭乗垣」を残しているようです。
 美術館で行われている春季展「つばきらんまん〜巨匠が描く名品展〜」(3月28日〜5月7日)の方もなかなか充実した展示になっています。尾形光琳の硯箱・乾山や魯山人の器を初め、横山大観を初め明治から現代までのつばきを画材にした絵画が展示してあり見応えがありました。
 つばきグッズ販売コーナーで「やわた椿愛好会」編集の「古都・京都やわたの椿」という1998年刊の小冊子を購入しました。

2006・4・1(土)撮影
2006・4・2(日)作成

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