江田島海上自衛隊の赤煉瓦
(広島県江田島市江田島町国有無番地 TEL 0823-42-1211 http://www.mod.go.jp/msdf/onemss/)
江田島海上自衛隊第一術科学校。今回2回目の訪問です。前回行った時は年末で見学は終了していました。
ここにある赤煉瓦の美しさは定評があります。赤煉瓦ネットワークが作成した「日本赤煉瓦建築番付」では西の二番目の横綱です。ちなみに一番は大阪市中央公会堂。横綱3番は福岡の今村天主堂です。東は一番東京駅、2番横浜新港埠頭倉庫、3番片倉工業富岡工場。あれ?同志社大学などは何でないねん!と思われるかと思いますが重要文化財に指定されているものは、年寄扱いです。
私の父親は戦前海軍の下士官として呉で住んでいたことがあったようで江田島の名前もよく出てきました。ですから江田島や呉の煉瓦を訪ねますとこの景色を見ながら青春時代を過ごしたのだろうなと思います。
今回江田島の海上自衛隊を見学しての感想の第一は、ここはエリート養成施設だということです。エリートではない私の父親はあこがれでこの建物を眺めたのか、それとも嫉妬心をもって眺めたのかどっちだったのかなと言うことでした。「親族の方で江田島で学ばれた方がおられたら、調べますよ」と案内の方が見学者におっしゃいました。「下士官はありますか?」と訪ねられた方がおられました。「下士官は予科練ですから、呉ですね」とおっしゃいました。私の父親の名は江田島にはないのです。
上の写真庁舎の後ろに見える山が古鷹山です。今も訓練に使われ続けているこの山。戦前の写真では場所を特定されないために古鷹山は消されたとか。
この建物の美しさは、正面からではなく裏面や中にあると私は思います。
江田島は、明治21年(1888)に海軍兵学校が東京築地から移転されて敗戦まで多くの海軍士官を養成しました。占領軍に接収され使用された後、日本へ返還。後幹部候補生学校とともに第1術科学校が海軍兵学校の施設を受け継いでいます。かって世界三大兵学校のひとつと呼ばれたとか。
「第1術科学校では幹部及び海曹士自衛官に対し砲術、水雷、掃海、航海、通信等の術科教育や関連する調査研究を行っております」とHPには書いてありました。つい最近イージス艦の秘密漏洩でこの学校の教官が関係していたとかでこの施設の名前が出ていました。何かそれに関係することが見学で出てくるかと思ったのですが、全くふれられませんでした。
一般見学は、平日 10時 1時 3時の3回 土日祝祭日 10時 11時 1時 3時の4回です。開始30分〜10分前に正門前で受付します。所要時間は1時間半です。一般見学の順路は、大講堂、生徒館、陸奥砲塔、表桟橋、教育参考館(現在は仮展示室)です。
大講堂
重厚な大講堂です。大正6年(1917)に鉄骨煉瓦石造で建築されたものです。イタリア建築を意識して建てられたそうです。国会議事堂と同じ御影石(花崗岩)が使われています。
ここは、現在入学式卒業式などの儀式に使用されており、内部は吹き抜けで2000名収容できます。
江田島海上自衛隊幹部候補生学校庁舎(通称赤レンガ)
この建物は明治26年(1893)海軍兵学校生徒館として建設されました。イギリス人建築家の設計で、レンガもイギリスから輸入されたとかで「一枚一枚紙に包まれて輸入されたそうです。ツルツルのレンガで今も光沢を失っていません。イギリスを意識して設計された建物です。海軍はイギリスがお手本でしたから当然の結果でしょう。建築当初日本瓦葺だったようですが、昭和38年安芸灘地震後スレート葺になりました。
この建物幅140mです。煉瓦と御影石を組み合わせて変化を作っています。一階は丸窓二階は角窓でできています。
実はこの敷地内にもう一つ魅力的な煉瓦があるのですが、残念ながら拝観できません。「水交館」という名です。
「水交館は、明治憲法交付の前年、明治21年(1883年)に「集会所」として建築された、江田島地区で現存する最も古い建築物です。以後、「文庫館」、「図書館」、「会議所」、「将校集会所」と名称、使用目的を変更しながら、終戦まで運営されました。
進駐軍接収時には、牧師等の宿泊所としても使用されましたが、海上自衛隊に返還後は、「水交館」と名付け、国内外の来賓の接遇等に使用しております。」というのが海上自衛隊の説明です。
「水交館は見学できないのですか」と尋ねましたら、一般見学ではダメだそうです。団体見学で申し込めばいいような言い方でした。すぐ横に学校長の宿舎があるそうで、見学のものがうろついていたら「叱られる」とのことでした。
一番近いところからそれらしい建物が見えましたので撮ってみましたが、何やら分かりません。
2007・12・24(土)撮影
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