日本で最初に産まれた子カバの剥製
(京都市動物園)
京都市動物園には現在メスの「つぐみ」一頭だけがいます。(2009・10)
2006年9月にオスの「ナルオ」が腸閉塞で死に、「つぐみ」だけが残っているのです。
この子カバの剥製は、この夏、動物園入ってすぐの図書館にある標本や剥製などが置かれている場所で、見つけました。
ああ、これがあの子カバの剥製か…とちょっと感慨を持って見ました。
口の辺りは切れていて、少し可哀想な状態になってきています。
この子カバの剥製、何の説明もなく置かれているのですが、そのいわれを知ると興味深いものなのです。
私も「だからカバの話」(宮嶋康彦著・朝日文庫・1999)で知ったことを書きます。
@京都市動物園は、日本で初めてカバの子が誕生した動物園である。
Aそれは1933・12・8のこと
B両親はドイツのハーゲンベック動物園から購入された。母親は1927年・父親1930年船便で来園。
C購入金額は当時のお金で1万円、立派な家が建つ値段。
D最初に産んだ子は四日後1933・12・12死亡。剥製として残された。
E上野動物園では1929・5・31に死産の子カバ(朝鮮から入園された姉弟のカバの子)がいた。
F京都は生きて産まれた最初の子カバがいた動物園ということになる。
宮嶋さんの本が書かれた当時も、私が今まで行ったときも置かれていませんでしたが、この夏「あっ!」と思った次第です。動物園もきっと貴重なものだということで置かれたのでしょう。この説明があるとしげしげと眺める人もおられるのではないかと思いました。
2009・10・9(金)作成
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