京都東山の石仏巡り2

東山区の石仏

京都は北・東・西の三方を山で囲まれた盆地です。そして東側の山々のことを比叡山から伏見桃山まで東山三十六峰と言います。「ふとんきて ねたる姿や 東山」ビルが建って東山がそういう姿に見える場所は限られた場所になりました。京都駅周辺のビルの高いところに上がると確かに今でも確かめられます。東山の石仏です。
  

(1)慈芳院薬師石仏
東山区慈芳院庵町(五条東大路一筋南西入る)

山門を入りすぐ左に覆堂があり、右側に等身大の薬師如来がおられます。左手に薬壺が確かにありました。阿弥陀仏と地蔵菩薩が圧倒的に多い中で珍しいと言えます。花崗岩製で1.8m、蓮華座に坐して舟形光背を背負った圧肉彫り。右手を胸前にあげる施無畏印。蓮華座は三段の鱗葺という豪華なもので鎌倉中期の写実彫刻であり、端正な容姿と美しいプロポーションの優品です。

(2)六波羅蜜寺阿弥陀石仏
東山区轆轤町(松原通り大和大路東入る)

本堂の南にある丸彫りの大きな阿弥陀石仏です。花崗岩製で高さ2.08m。両手を膝上の定印。人なつっこい大きな顔が印象的です。
(3)六道珍皇寺石仏群
東山区小松町(東大路松原西入る)市バス清水道下車南200m
六道の辻にある六道珍皇寺は小野篁ゆかりの寺。『珍皇寺六道めぐり・精霊迎え」で有名なこのお寺石仏群があります。盂蘭盆の時は経木を水回向する場所に当たります。この中心におられる地蔵菩薩は高さ2.5mの大きなもので江戸末期のもの。その左右に二種類の地蔵菩薩がおられます。舟形光背を背負う4体は室町時代、六地蔵そろっておられるのは江戸末期とのこと。鳥辺野に集まる先祖の精霊供養のために善男善女が造立した小石仏群です。下の写真はその中の1つでなかなか良いお顔をしておられました。阿弥陀仏だと思われます。

(4)清水寺にある石仏
東山区清水町1丁目

今日は5月24日(月)です。休日でもないのに清水道はスゴイ人出です。修学旅行生でいっぱいです。二条城・金閣寺・銀閣寺とならぶ京都の観光地の中でもナンバーワンの集客力を誇る清水寺だけのことはあると思いつつ、ちょっとうんざり。清水寺については「京都落語地図」に3つの落語を紹介していますので是非ご覧下さい。「はてなの茶碗」 「景清」 「殿集め」 
高台にある清水寺・新装仁王門と愛宕山 子安塔から見る本堂(舞台)三重の塔など

(ア)清水寺成就院前石仏群

その清水寺にこんなにたくさん石仏があろうとは…びっくりしました。何回も清水寺行ったことがありましたが知りませんでした。
清水寺仁王門を登りますと人の流れは本堂舞台へ向かいます。私は石仏を見るため北に向かい成就院の手前にある丘陵を目指します。もうびっくりしました。しだの中におびただしい数の石仏です。鎌倉から室町江戸時代の阿弥陀、地蔵が500体以上あるとのことです。京都の鳥辺野は昔からの葬送の地。清水寺に集められた石仏はその遺物だと思われます。
まずその全体の様子です。
その中で特に心にのこった石仏千手観音菩薩像です。

(イ)清水寺フクロウ四方仏

清水寺の中の石仏の中でもこれは知らなかったら絶対見逃す仏です。先ほどの石仏群は何かの拍子に間違って迷い込む可能性がありますがこのフクロウ四方仏は入り込んでのぞき込まなくては見られません。
花崗岩製、高さ44cm四方の石材。その4隅に高さ39cmの鳥形4羽を刻む。フクロウをあらわしたものと言われています。蓮華座の上に結跏趺座する如来像4体を半肉彫りしてあります。鎌倉中期と思われます。
 実はこの「フクロウの四方仏」は中門(轟門・入山料300円払うところ)の手前にある轟橋の脇にある手水鉢の下にあるのです。私は轟橋で入場整理しておられた方にお願いして下へ入り込み写真を撮らせてもらいました。大勢の観光客が通られますがだれもそんな所へ入り込んで石仏を見る人はいません。その上の手水水はフクロウの水と昔から言われているそうです。間違ってはいけませんからその手水鉢を紹介しておきます。だれものぞき込んだりせえへんやろなと思いつつ。

(ウ)清水寺ぬれて観音

清水寺奥の院裏手にある「ぬれて観音」さん。「ぬれ手で泡」で儲けさせてくださる観音さんなのでしょうか。それ以外に思いつきませんがどういう意味なのでしょうか。時代も何も分かりませんが信仰篤い観音さんのようです。

(エ)清水寺子安塔付近の石仏群

音羽の滝へ下っていく道にある石仏群。室町時代のものとか。真ん中の大きなものは福禄寿として信仰されてきたものだそうで特別に説明がありました。

(オ)清水寺舞台下石仏群

上の子安塔にある石仏群に80cmの南北朝末の阿弥陀石仏があるはずでした。そのことをたまたま歩いておられるお坊さんに聞きましたら、道にたくさんの石仏がおられるから捜してみてくださいとのことでした。しかし見つかりませんでした。「京都の石仏」(清水俊明著)にある仏さんなのですが現在は見えません。でも気をつけてその後舞台下など見てみましたらずーーっと石仏がありました。清水寺はおびただしい石仏があるお寺です。

(5)長楽寺滝壺の石仏
東山区円山町

長楽寺はなかなかのお寺です。参観料は500円です。秋紅葉の時が最高だと思います。私は初めての訪問でしたがぜひ今年の秋はここで紅葉を楽しもうと思いました。場所は円山公園東側。枝垂れ桜の咲いている場所から少し南の長楽館の南の道を東へ行くとその突き当たりにあります。このお寺は一遍上人の時宗のお寺です。一遍上人の木像(重文)があります。私は一遍上人も偉い方だと尊敬してます。その木像は一遍上人はこういう面相だっただろうという期待を裏切らない木像です。頼山陽の墓地でもあります。今本堂を改修中です。相阿弥(銀閣寺の庭の設計者)の庭もいいです。
その長楽寺に平安の滝というのがあります。この滝の石組みに何とそこらにあった石仏が使われているのです。室町時代から近世までの様々な石仏が組み込まれています。
さて、どこに石仏があるかお分かりでしょうか。まあいたるところにあります。そのいくつかをUPしてみましょう。
その他にも富岡鉄斎の手水鉢やねんどで作られた布袋さん(東福寺を開いた聖一国師作)などがあります。
(6)円山弁天堂の宝塔二仏
東山区円山町
この長楽寺の前を自然に北へ向かうと左阿弥という料亭の前にでる。ここは織田信長ゆかりの地であると同時に明治時代に迎賓館に匹敵するようなホテルが築かれた場所である。「左阿弥」の写真を見たことがあるが明治時代人々の度肝をぬいた建物だったようだ。確か火事で焼失したと書かれていたように思う。現在は純和風の建物になっている。その東側に円山弁天堂がある。ここは後で紹介する安養寺に属していた堂宇だったようだが、今は円山弁天堂と呼ばれ祇園の女性たちの信仰篤い弁財天が祀られており、50年に一回しか開帳されない秘仏だそうだ。
この弁天堂に慈鎮和尚(慈円)の塔といわれる宝塔二仏がある。花崗岩製で、高さ3m。二仏は像高24cmの如来像二体。
(7)安養寺阿弥陀石仏
東山区円山町
安養寺は円山弁財堂からさらに北へ行ったところにある。北隣は知恩院の日本一大きい梵鐘のあるところである。安養寺は法然上人が浄土教を説き親鸞上人はここで教えを受けた場所である。
ここに定印を結んだ花崗岩製の阿弥陀石仏がある。高さ1.5mの舟形光背をつくり30cmの蓮華座を儲けて90cmの阿弥陀像を厚肉彫りしたものである。鎌倉時代の特徴を示す優れた石仏。

(8)京都国立博物館

(ア)地蔵石仏

総高86cm 二重蓮華座に端座する 二重円光背 鎌倉後期の作

(イ)不動明王像

(9)正法寺

東山区清閑寺霊山町
市バス清水道下車 東北に700m

(ア)国阿上人の塔

緑泥片岩の板碑 高さ1.1m頭部を山形にした板塔婆。阿弥陀三尊の種字 光明四区と上人の名と応永12年(1405)9月11日の示寂日を刻む。
関東から運んできた鎌倉の古い板碑に上人の名を刻んだのではないか(川勝博士)の説。

(イ)如意輪観音石仏

花崗岩製、高さ69cm 舟形石 蓮華座 右手で頬杖思惟の姿 左手如意宝珠 転輪聖王座(右膝を立て膝、左足裏を重ねる)の姿勢 鎌倉初期をくだらない。

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