(通し打ち9泊10日+高野山1日)
念願だった四国八十八カ所スクーター遍路をすることができました。その記録を残しておこうと思います。 興味のない方にとっては何でこんなことするのだろうという内容です。ひょっとしたら、同じような旅をされる方もおられるかもしれないので何か参考にでもなればと思いますが…あくまでも自己表現のためのページです。 |
(1)遍路準備
■遍路期間…2010・8・14(土)〜8・23(月) 25(水)高野山 9泊10日+1日
■移動手段…YAMAHA・Gマジェスティ250cc
■総走行距離…1860km(高野山を含まず)
■出発場所…京都市伏見区の自宅
■持ち物…スクーター座席下の荷物入れに収納した
・カバン(バイク用品店で購入した雨でも中がぬれないナップサックにもなるもの・7000円ぐらい)
・バイク用雨具
・タオルと洗面具と薬類
・着がえ 4日分
・短パン
・ノート型PC
・カード類(健康保険証・ゆうちょ銀行・VISA・ETC・JAF)
・カメラ(CANON・E40)
・携帯電話
・財布
・案内本…「るるぶ四国‘10」と「るるぶ四国八十八カ所」
・遍路用バッグ
(中に筆記具・財布・数珠・経本・納経帳・扇子(途中で紛失)・四国八十八カ所詳細地図帳・持鈴)
■服装
▽高速道を走ってる時は(行き帰りと2・3日目)
ハイキング用長ズボン・メッシュバイク用上着・テニスシューズ
▽遍路中は(4日目からこの姿で遍路)
短パン・Tシャツなど・テニスシューズ
■第1番札所霊山寺で購入したもの…合計5250円
・納経帳(2500円)・経本「四国巡礼仏前勤行法則」(700円)・四国八十八カ所詳細地図帳(1000円)
・持鈴(1050円)
(2)遍路日程
日目 | 月日 | 曜日 | 巡礼県 | 遍路した札所・訪問先 | 宿 泊 地 |
1日目 | 8/14 | 土 | 徳島1 | 1番札所・徳島市内 | 鳴門市ビジネスホテル |
2日目 | 15 | 日 | 徳島2 | 2番〜11番 | 鴨島ビジネスホテル |
3日目 | 16 | 月 | 徳島3 | 12番〜22番 | 国民の宿うみがめ荘 |
4日目 | 17 | 火 | 徳島4・高知1 | 23番〜30番 | 高知駅前ビジネスホテル |
5日目 | 18 | 水 | 高知2 | 31番〜36番 | 国民宿舎「土佐」 |
6日目 | 19 | 木 | 高知3・愛媛1 | 37番〜41番 | 西予市宇和町ビジネスホテル |
7日目 | 20 | 金 | 愛媛2 | 42番〜51番 | かんぽの宿「道後」 |
8日目 | 21 | 土 | 愛媛3 | 52番〜64番 | 伊予西条駅前ビジネスホテル |
9日目 | 22 | 日 | 愛媛4・香川1 | 65番〜77番 | 綾歌郡宇多津町旅館 |
10日目 | 23 | 月 | 香川2 | 78番〜88番 | |
11日目 | 25 | 水 | 和歌山 | 高野山 |
*各セルをクリックするとその日の遍路のことを紹介したページにとびます。
(3)遍路Q&A
Q1,道を迷わないか?Q7,予想していなかったことで困ったことは?
四国八十八カ所遍路道は多くの人が通られるので、各県とも道路に大きく表示してあることが多い。特に香川県は大変親切にお寺の前から案内してくれていた。だからよほど不注意で見落とさない限り次の札所まで行ける。ただ、この道を通るはずだと想定していない道に紛れ込んだりすると困った。もう一つあまり案内のないのが市街地。市街地を抜けて次へ行くというとき迷うことが多かった。
道に白地に赤で字の書いた小さい標識や道しるべ(道標)もたくさんある。
道路地図を2種類売っていた。私は「四国八十八カ所詳細地図帳(1000円)」を買った。こちらの方が車やバイク遍路にはあっていそうに思った。歩き遍路用の本はもっと詳しいものであった。これは必需品で、泊まるところを探すときにも大変便利であった。
道路標識とこの地図帳を頼りに走行するのだが、10km以内に次へ移動するときはそれほど問題ないのであるがそれを超えると「通り越したのではないか」とか「まだかな、今どの辺り」とかが気になる。それで、@メーターで走行距離を確認することにした。Aどちら方面へ向かうのか(何市とか何町)は最低覚えて移動するようにした。しかし覚えが悪くなっていて、国道や県道の名前は覚えられなかった。ナビがないのは不便だなと思った。
Q2,迷ったときは?
@ガソリンスタンドで聞く
ガソリンを入れがてら、道を聞くと丁寧に教えてもらえた。地図をもらえるところもあった。年配の方がやっている小さなスタンドほど親切に教えてくれる。バイトの若い人は必ずしもその地域の人でない時もあって、知らないことがあった。これはコンビニでも同じ事が言える。
Aコンビニやスーパーで聞く
コンビニやスーパーに入って聞いたら、教えてもらえた。飲み物や昼食を買うことが多かった。
B自転車に乗っている私と同世代ぐらいの女性に聞く
若い人は札所と言っても知らない人もいる。中学生に聞いたら、「そういうことは知りません」と言われてしまった。
同世代ぐらいの女性を自転車を追い越して、待っていて声をかけると親切に教えてもらえた。男性は昼間から町中を歩いていないし、忙しそうである。若い女性も歩いていないと言うこともあるがさすがに「けったいなおっさんに声かけられた」と思われそうで気が引けた。
働き盛りの男性はさすがにくわしく道を教えてくれたが、詳しすぎてかえって分からない。すぐ近くで聞いたときはそれでいいのだが、国道などで聞くときはこの方向でいいかどうかが聞きたいので、もう少し直進して左などと言ってくれたら助かるのになあと思った。
C交番で聞く
一番これが良いのに、敷居が高いというかだいたい交番が見つからない。
しかし今回交番のおかげで助かったというお話。
淡路島でのことだった。高速に入る前にガソリン満タンにするつもりだったのだが、大窪寺から高松自動車道引田ICへの道にGSがなかった。かなり心細いタンクの状態だった。私のバイクのガソリンタンクの表示は6段階で限りなく2に近い3であった。そのまま自動車道で大鳴門橋を越える。確か淡路島南PAは大きなSAだったからGSがあるだろうとたかをくくって行ったら、なかった。
ここで買い物をして次GSのあるSAはどこかと聞いたら、淡路であと53kmだとおっしゃる。タンクの表示は1に近い2。
持つかもしれないなと思って走り出したが、もし途中でガソ欠になったらどうしようとどんどん心配になってくる。太陽も沈みかけてくるし心細いことこの上ない。西淡三原ICを超えた。洲本ICを超える少し前でついに表示は1になった。私のバイクのタンクの容量は確か12Lぐらい。単純に一目盛り2Lだからぎりぎり間に合うかなどうかなというところ。こういう時の道は長い。次は津名一宮ICだった。私はあかん!これは降りようと決めた。ICの近くならきっとGSはある!…と思った。
料金所で聞いたら、次の信号を500mほど行ったところに小さいのがあるから見落とすなよと言ってくれたので気をつけて走った。しかし行けども行けどもない。
その時、交番が見つかった。交番はすでに閉まっていた。パトカーはあったから、中にお巡りさんがいるかもしれないと思ったので、インターフォンを押してみたら、奥さんが出てこられて、親切に地図で教えてくれた。もう少し行けばあるが閉まっているかもしれないから、さらに行くと2軒セルフの店があるとのことであった。結局店が開いていて、初めに料金所の人が教えてくれたところで入れたことになった。
Q3,お賽銭の用意は?
@自販機でドリンクを買う
細かいお金がない時は、ドリンクを買った。150円のお茶では10円玉が手に入らないので120円のすぐ飲めるドリンクを買った。これで30円入って水分も補給できる。細かいお金がないとき、50円や100円をお賽銭にしていたのであるが、途中から一石二鳥作戦にした。
Aガソリンスタンドでおつり
ガソリンスタンドは1万円でもいやな顔されずにおつりがもらえるし、必ず細かくなるので重宝した。
Bコンビニで買い物
コンビニも何か買うと必ずおつりがもらえる。
Q4,荷物を少なくするためには?…旅先で洗濯をする
今まで着替えを滞在日数分用意して出かける旅しかしたことがなかった。しかし今回バイクに積める容量の関係で4日分の着替えしか持っていない。これで多いくらいかなと思う。とにかく慣れないことは緊張する。
ほとんどの宿泊先にコイン式の洗濯機と乾燥機が用意してあった。
夕食後いよいよ洗濯することにした。まずフロントで聞いた。そしたら洗剤をくれて、料金は部屋につけておくとのこと。すぐに部屋に戻って洗濯物をもって、風呂前の洗濯機と乾燥機の前へ行った。
洗濯機があいてあったのでそこへ洗濯物を入れて機械を動かした。ちょうどお風呂の前だったので一風呂浴びた。
出てきたら洗濯できているかなと思ったがまだで、部屋に戻った。しばらくして行ったがまだ脱水中でしばらく待った。できたのですぐ乾燥機を標準にしてセットした。はて1時間ぐらいかかるのであろうか。何回か見に行ったら出来上がっていた。
二つのことに感動した。旅先で洗濯できたことと、時間はかかるがふっくら仕上がっていることに。なかなか上手に洗濯乾燥するものだ。
Q5,宿泊先はどのように決めるのか?
初めの2日間は旅行前に自宅から予約をしていた。3日目と5日目四国で予約した。
しかし、四国遍路の旅では、かえって予約していると廻れる札所もやめなければならないので窮屈である。その日の終了と同時に宿泊場所を決める方が理にかなっていると思い、後半はまったく予約なしに飛び込みで宿泊先を決めた。当日でもすぐ予約できた。一回だけ満室で断られたが、まず大丈夫である。
四国遍路では宿坊のある寺もある。宿坊がどういうものなのか分からないので、ビジネスホテル中心に探すことにした。私は相当大きないびきをかくのでビジネスホテルの方がありがたい。もし相部屋などと言うことになったら相手に申し訳ない。
Q6,交通事故の心配は?
行く前、高速道路を走行するのはかなり心配があった。しかし、走行車線を流れに沿って走っている限りはそう心配することもないなと思った。バイク屋さんに
@休憩をこまめにとること
A熱中症に気をつけて、かならず塩分をとりながら水分補給すること。
B長袖、長ズボンの方が疲れないこと
C夜の走行は避けること
などの注意をうけた。
一度転倒した。その時のことを書いておく。
■駐車場で転倒
駐車場へ右折で入れようとして、ハンドルを取られた。理由はよく分からないが、たぶん進入角度が深かったことと、思ってるより傾斜がきつかったのだと思う。あっ危ないと思っていたら、右へこけていた。ところが、このこけた場所が幸いした。ここは電信柱のある場所だった。電信柱と電信柱についている線がある間で転倒し、バイクはそこで倒れず止まった。私はその間に倒れ込んだ。そこが溝で私はそれに転げ落ちた。
幸いすりきず程度(左右の手のひじと右足)のけがですんだ。
さて、次の難関はスクーターをどう起こすかである。転倒直後で、しかも溝にはまっている私は急いで起き上がって、バイクを必死で起こしにかかった。しかし敵もさるもの、なかなか起きてくれない。傾斜のある場所である。下手に起こしたら、そのまま坂道を転げ落ちる可能性も、もう一度転倒する可能性もある。
何回か起こそうと試みたが、うまくいかなかった。私は転倒のショックと必死で力を出したので腕が震えている。他の人が来ないうちに起こさなければという気持ちと、だれかに助けてもらおうかという気持ちと両方ある。
しかし、人間の力というのがおそろしいものだ。かけ声「せえの!」「よっ!」と必死でかけて何とか起こした。ブレーキをかけながらなんとか起こした。我ながら拍手だった。
スクーターは、バックミラーが両方ともいがんでいた。他はよく分からない。しばらくエンジンがかからなかった。ちょっと慌てた。どうしようかなと思った。しかし6,7回目にやっとエンジンがかかり、バイクを駐車場に入れることができた。
ああ、まだ腕が震えている。
ああよかった!と思っているところへ、朝から何度も顔を合わせているご夫妻が寺から駐車場へ坂道を降りてこられた。時間は12時40分ぐらいのことである。今日の予定が終了されたのかご主人の方が話しかけてこられた。この方はもう遍路が6回目だそうだ。
「バイクは涼しいですか」
「いや、走り出しは涼しく感じますけど、やっぱり暑いですよ。車はナビがあるから迷わないでしょうけど、バイクは勘で走ってるみたいなとこがあります。着いたときラッキーと思います」
「私は6回目ですから道に迷うことはありませんが、毎回新しい道ができていて、お!と思います。もう私も年ですからこれが最後になると思います」
「いやいや、まだまだお若いですよ」
それで別れた。
私は転倒のショックの真っ最中であったが、お話してる間に落ち着いてきた。私はずいぶん長い間バイクを起こしていたように思うが3分ほどだったのだろう。
それから本堂でも大師堂でも、今日は一日中感謝の気持ちを言った。バイクも損傷なく終わったし、これぐらいのけがですんだのは全く幸いであった。少し巡礼慣れして警戒心が少なくなっていることに対する警告のようにも思ったし、私には本当にいい薬だった。
不思議だが、そのときに私の数珠がバラバラになっていた。寺の本堂で数珠を出そうとしてびっくりした。これも私の身代わりになってくれたのかなと思った。ありがたいことであった。
日焼けだった。
最初お行儀よく、バイク用のメッシュの上着と長ズボンで走行し、その格好で駐車場からお堂まで階段を登ったり歩いたりしていたのであるが、とにかく熱くて3日目に上着を座席下の収納スペースに入れた。何とか詰めたら入るものだ。そして4日目には朝からテニス用半パンで走行することにした。これで転倒したら大けがだ。しかし走ってみて無茶な走りをしなかったら大丈夫だと思った。バイク転倒に万全の策はないし、「そんなに転倒が怖かったら車で行ったらいい」というのも確かなことである。
走っている時も歩いている時も、これでだいぶ暑さはしのげたのであるが、日焼けは予想外であった。足の膝から上太もも辺りがチリチリ日焼けしているのを感じた。5日目朝コンビニで日焼け止めクリームを買って使った。それでも6日目には真っ赤になって、8日目には一皮めくれそう皮が浮き始めた。日焼け直後は痛い。慣れて皮がめくれそうになると痒い。初めから日焼け対策をした方がよかったなと思った。
お風呂に入って鏡に映る自分の姿は傑作だった。まるで入れ墨を入れた体の反対バージョンであった。立派な彫りものの入っている方は、腕や足の太ももまで体全体に入れておられるが、私はその逆で、二の腕から先と太ももから足首までが日焼けて赤いというか茶色いというか、異様な色になっていた。
帰ってきてからプールへ泳ぎに行ったのだが、何とも恥ずかしい日焼け状態であった。
日目 | 月日曜日 | 遍路県名 | 遍路した札所・訪問先 | 日目 | 月日・曜日 | 遍路県名 | 遍路した札所・訪問先 |
かばのしっぽ四国八十八カ所スクーター遍路旅スタート | 1日目 | 8/14(土) | 徳島1 | 1番札所・徳島市内 | |||
2日目 | 8/15(日) | 徳島2 | 2番〜11番 | 3日目 | 8/16(月) | 徳島3 | 12番〜22番 |
4日目 | 8/17(火) | 徳島4・高知1 | 23番〜30番 | 5日目 | 8/18(水) | 高知2 | 31番〜36番 |
6日目 | 8/19(木) | 高知3・愛媛1 | 37番〜41番 | 7日目 | 8/20(金) | 愛媛2 | 42番〜52番 |
8日目 | 8・21(土) | 愛媛3 | 52番〜64番 | 9日目 | 8/22(日) | 愛媛4・香川1 | 65番〜77番 |
10日目 | 8/23(月) | 香川2 | 78番〜88番 | 11日目 | 8/25(水) | 和歌山 | 高野山奥の院 |
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