京都御苑の春の花
2009年3月21日午後ぶらりぶらりカメラを持って出かけました。御所へ行こうか植物園へ行こうか最後まで迷って結局御所にしました。
今日は今出川通りを西へ河原町通りの一筋西の道を南へ。この道は初めて歩くなと思いながら歩いていたら、本禅院という日蓮宗のお寺に着きました。その寺の北側に赤煉瓦塀が続いているお宅があって、しばらく眺めました。
本禅寺の南隣が浄土宗の清浄華院。このお寺は法然上人縁の寺。ここで六地蔵石仏をしばらく見ました。
そして、すぐ隣の廬山寺へ。ここは紫式部の邸宅跡で、桔梗の花の時が美しいお寺です。節分会には鬼が登場することでも有名。元三大師が建てられたそうで、もともとは船岡山辺りにあったようです。そういえばあの辺りに廬山寺通りという名が残っています。廬山寺には御土居が残されていて、皇室関係の墓もあります。
廬山寺の前は三条実美を祀る梨木神社、ここの井戸〔染井)は名水で有名であり、喉を潤させてもらいました。ぬるい感じがしてここでも春を感じました。この神社は秋萩の頃が美しい神社です。梨木神社でヤマブキが咲いていました。えらい早いなあと思いました。
とまあこんな調子で歩いていたら、御所に着いたら四時近くになっていました。
どこへ行こうかと思いながら御苑の中を歩きます。そうだ桃林は咲いているかなと歩いて行きますと、いつも通りの京都御苑の中の景色。留学生風の外国人のカップルが芝生でマンガを読んでいます。家族連れがしきもの広げてスポーツをしています。そこだけジャリがない1本道…自転車道をのんびり進む自転車。皇宮警察のパトカー。携帯のカメラやデジカメで写真を撮る人、そして楽器演奏を楽しむ人。
今日感心したのは、大宮御所などの築地塀沿いを詩吟を吟じながら歩く人。塀にあたってはね返るのでかなりの音量で聞こえます。上手な方で、拍手してあげようかと思いました。
そんなこんなを楽しんでいたら、桃林に着きました。やはり見事!。5年前に『公園を通っていきませんかー京都御苑の四季ー』(伊藤訓行著・淡交社刊)の「春に酔え」を引用しながら、ここの桃林が、いいと書きました。私の知るるかぎり今も最高だと思います。
桃林で近衛邸跡の枝垂れはどうかなと北へ向かいました。
途中で最高の状態のハクモクレンが咲いていました。とてもいい香りで、花が上品でうっとりしました。
日が経つと色が変わり落ちて、哀れを誘う花ですが最高の状態です。またしばらく歩くと中立売門辺りでモクレンが咲いていました。これも今が盛りです。やはり平年と比べると1週間早いように思います。
二日ほど前に開花宣言のあった桜がたぶん咲き始めているかもしれないので近衛邸跡へ急ぎました。近衛邸跡の枝垂れは満開状態です。ということは平野神社の魁桜は咲いてるなあと思いました。
いやはや、今年の春は一気に早くやってきました。
『公園を通っていきませんかー京都御苑の四季ー』(伊藤訓行著・淡交社刊)に「春に酔え」という一文があります。「桃の赤色と枝垂れ桜の白色と桃色がそろう春の一刻、旧近衛亭付近の松の大木の下に座って、御所の築地塀や大通りに敷き詰められた白砂を見ていると、花に酔ったように時の経つのを忘れてしまいます。京都市内には梅や桜の見所は沢山あるため、それらについては少し遠慮しますが、桃については、御苑は市内でも屈指の場所だと思います」
今日ぐらいどうかなと思いながら、勤め帰りに行ってきました。確かに京都御苑の桃林いいですね。旧近衛家の池付近の枝垂れ桜も豪華です。池にはすでに花びらが舞い落ちています。ヤブツバキも落ちていて、水草と椿と桜の花びらが調和していてなかなかの景色でした。2004・3・29
(1)桃林
(2)旧近衛邸枝垂れ桜
日本画を見ているような錯覚がする旧近衛邸の枝垂れ桜です。
(3)旧近衛邸の椿