木喰さんを訪ねる旅
(28)

梅林院
(静岡県藤枝市岡部町桂島)
薬師如来
子安地蔵(観音)大菩薩
 2019年4月7日(日)中日文化センター主催紀行講座「微笑みの木喰仏」日帰りツアー最後の訪問地は藤枝市梅林院でした。このお寺には2体の木喰さんがおられました。二体とも「寛政十二甲歳八月八日ニ成就」の背銘文字があります。
 私はこの頭の形や雰囲気が京都蔭涼寺の薬師三尊に似ているなあと思いました。
 ここの木喰さんは本堂ではなく観音堂におられました。このお堂は移築されたものらしく、神入寺という寺にあったものだという説明を受けました。像名が書いてある札には「桂島神入寺ニテ」という文字が書かれています。このお堂天井絵のあるお堂で近郷で信仰を集めておられるようでした。
 本尊は秘仏で常時開扉されているわけではありませんでした。
 住職が木喰仏目当てに来る者が「木喰仏を見せてください」と言うことに違和感があるという話をしておられました。「拝ませてほしい」だろうと。

(1)薬師如来
(95.8cm)

 頭と眉が黒々していて、後代にだれかが色をつけたことを気にしておられるようでした。色を塗ったときに、はみ出して塗ってしまったようで、それも気にしておられました。たぶん薬壺の色がオリジナルでしょうから確かに後代の手です。でも私はそれほど気になりませんでした。何となくなまめかしくてそれはそれで魅力的でした。薬壺の持ち方が独特。特に右手が魅力的です。目を閉じておられます。種字は「バイ」(薬師如来)
 光背には光明真言。背面には天一自在法門木喰五行菩薩という名乗り、83歳という年齢。日本千体の内なりという「願」が書かれ、聖朝安穏増寶壽、天下安楽興正法というお気に入りの阿弥陀経の文句があります。そして「千」「万」の文字と「歳」の文字。これは長寿を願ってのことかと思ったのですが、「年」を表すとかで意味不明らしい。 

(2)子安地蔵(観音)大菩薩
(95.8cm)

 薬師如来と同じ文言が背銘に書かれている。
 当然ながら尊名は違う。尊名「子安地蔵大菩薩」とある。であるのに種字が「サ」で観音菩薩の種字。明らかにどちらかが間違っている。
 像容から見ると、子安観音であろう。地蔵なら剃髪していそうだ。
 最初に訪れた藤枝市十輪寺には、子安地蔵大菩薩があった。
 この像は剃髪していて、子どもを抱いていた。
 尊名を書き間違えることがあるのだろうか。
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