半田常滑煉瓦紀行

 知多半島へ出かけました。知多半島の中央東側に半田市があり、西側に常滑市があります。半田はミツカンなど酒や酢の醸造で有名な町です。そして「てぶくろをかいに」「ごんぎつね」で有名な新美南吉の出身地としても有名です。一方常滑はやきものの町として有名です。
 半田には日本赤煉瓦番付東関脇の半田旧カブトビール工場があります。そして常滑には登り窯や煉瓦煙突の風景があります。

2009・8・9〜10(日・月)撮影
2009・8・16(日)作成

(1)半田旧カブトビール工場

「日本近代化遺産を歩く」(JTBキャンブックス・2001・)P.85に博物館「酢の里」の説明があります。その中にあった記述です。
「明治になると、四代目中埜又左衛門(4代目から中野を中埜に改姓)はビール事業に着手、「丸三ビール」(のちのカブトビール)を設立した。ビール事業のまさに先発であり、莫大な資金を投入することになるが、事業としては必ずしも成功しなかった。しかし奇しくもこの本業の製酢以外のビール事業に心血を注いだことが、「半田の酢」のその後の発展に大きく寄与することになる。」「すなわち、ドイツ製のボイラー・圧搾機など近代設備の導入をはじめ、技師のドイツ派遣とその帰国後の醸造試験所の設立は、製酢の技術改良を大きく前進させることになる」
所在地 半田市榎木町8番地
構 造 レンガ造り5階建 一部木造レンガ造
竣 工 1898(明治31年)10月31日
基本設計 ゲルマニウム機械製作所(ドイツ)
実施設計 米国工学士 妻木頼黄
施 工 清水組(現清水建設株式会社)
規 模 地上5階建
敷地面積 33,786.98平方メートル
建築面積 現存部は推定2,829平方メートル 約651平方メートル取り壊し
延床面積 現存部は推定5,456平方メートル 約1,526平方メートル取り壊し
構造形式 レンガ造
スラブ 鉄骨併用レンガアーチ耐火床
屋 根 当初・天然スレート葺き一部亜鉛板棒葺き
現在・カラー波鉄板(仮葺き)波板スレート(仮葺き)
指 定 平成16年7月登録有形文化財
平成21年2月近代化産業遺産認定
旧カブトビール工場
 半田は、江戸時代から現代まで続く代表的産業として、食酢や日本酒といった醸造業が盛んです。
 この建物は、明治の人々の喉をうるおした「カブトビール」の生産工場として、丸三麦酒株式会社が建設しました。
 レンガ造建築は、関東大震災以後はほとんど建てられなくなり、幾たびかの災害や建替えにより多く壊されているため、現存している建物はかなり少なくなっております。
 その稀少な中でも、使われたレンガの個数は、東京駅、横浜新港埠頭、北海道庁に次いで日本第4位であるともいわれ、わが国屈指の重要なレンガ建造物です。
 また、この建物の設計は、明治建築界の三大巨匠の一人、妻木頼黄(つまきよりなか)氏によるものです。
 約一万坪の敷地の南西部に位置する工場は、大きなサイロを脇に抱えた、五階建ての重厚な感じのするドイツ風で、南側に建築された、木骨レンガ造り部分は明るいフランス風となっております。
 この建物北側外壁は、第二次世界大戦時の空襲による機銃掃射の弾痕が生々しく残っており、歴史の生き証人ともなっております。
旧カブトビール工場の変遷
明治31年10月30日  竣工(丸三麦酒株式会社)
昭和19年         中島飛行機半田製作所衣糧倉庫として使用
戦後            日本穀産化株式会社
昭和24年〜
平成6年9月        日本食品加工株式会社コーンスターチ製造
平成8年3月19日    半田市取得
機銃掃射弾痕(旧カブトビール工場)
 第二次世界大戦時における、半田市への本格的な空襲は、昭和20年(1945)7月15日、硫黄島基地を発進した米軍のP51戦闘機10数機によって行われました。3機から6機編隊に分かれたP51が、三波にわたり、半田市上空に飛来し、超低空からの攻撃を繰り返しました。 
 市内とその周辺地域に急降下による機銃掃射を浴びせ、8名の市民を犠牲者を出しました。
 当時、中島飛行場の衣糧倉庫として使われていたこの「旧カブトビール工場」も激しく銃撃され、火災が発生し、一部が損傷しました。
 今もなお、その時の機銃掃射による多数の弾痕が北側壁面に残っています。全国でもまれな貴重な戦争遺跡であり、戦争の悲惨さを語り伝える役割を果たしています。(半田の戦争記録ー半田市誌別巻ーより)
 半田市で「酢の里」の工場見学もしました。「ミツカン」がいい博物館施設建てているなと感心しました。その建物内にもレンガが使われていました。ミツカンの前の半田運河と蔵もなかなか情緒がありました。

(2)常滑登窯(焼きもの散歩道)

常滑陶磁器会館前から焼きもの散歩道が設定されています。
それに沿って歩きました。
重要文化財の登窯がありました。その煙突が立派です。

ここからは焼きもの散歩道の心に残った風景です。土管を上手に使った塀が幾何学的な美しさを見せていました。

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