円空さんを訪ねる旅(83)
朝来市新庁舎完成・美術館リニューアルオープン記念 あさご芸術の森美術館円空展 (兵庫県朝来市多々良木) 079・670・4111 |
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■会期 2017年3月18日(土)〜5月7日(日)
■開館時間 午前10時〜午後5時 ■休館日 水曜日と祝日の翌日休館(ただし5月4日開館) ■観覧料 一般…500円/大・高校生…300円/中・小学生…200円 |
京都市内から朝来ICまでは、名神高速道・中国道・播但自動車道をナビの案内通り行きました。朝来ICの手前のICは生野で、銀山で有名なあの生野です。
私はすぐに、小式部内侍の百人一首の歌「大江山 行く野の道の遠ければ まだ文も見ず 天橋立」を思い浮かべました。 この歌は行く野の道と生野の道が掛詞になっています。もう一つ文も見ずも踏みもみず(踏んだことがない=行ったことがないの意味)と掛詞になっています。
小式部内侍は和泉式部の娘で、若くして和歌の才能があると言われていたそうですが、母親が代作しているのではないかと疑われていたそうです。和泉式部とその夫は丹後に赴任中のある歌合で「歌は出来たか?お母さんには手紙を出したか」と意地悪なことを言われた時に、この歌で答えたという有名な歌です。
私はてっきり、生野は銀山の生野だと思っていました。大江山から生野銀山は遠い、まして天橋立などまだ行ったこともございませんと行っているのかと思っていました。しかしこの生野は福知山にある生野だそうで、長い間私は思い違いをしていました。
しかし京都縦貫道を通って福知山から朝来市へも行こうと思えば行けるので、こういう間違いをしていたのだと思います。
脱線しました。
朝来市と言えば、竹田城が有名です。私は数年前に行ったのですが、なかなか趣のある城跡です。日本のマチュピチュ・天空の城と言われるところです。京都府宮津市で霧に浮かぶ竹田城のポスターを初めて見たときこういう写真撮りたいなと思いました。しかし行ってみて分かったのですが、そういう写真を撮るためには霧が出そうな気候の時期の早朝に、竹田城のある山の前の山に登る必要がありことが分かりました。やっぱり手間暇かけないと素敵な景色には出会えないようです。
ほほ笑みと祈り円空展
開催中の円空展に出品されているのは、岐阜市の円空美術館の50体と豊田市民芸館13体が出品されています。監修は小島梯次円空学会理事長です。
円空美術館所蔵の円空仏の中の大黒像、不動三尊、普賢菩薩像などは心に残る円空仏です。この円空展では背銘が見られるように、後ろに回れるスペースを確保しておられました。私が気になったのは薬師如来像の背銘でした。円空という文字や年号のようなものが見られたのです。円空の筆のようにも見えました。年号がはっきりしている像は5200体を越える円空仏の中でも限られており、これは?と思い小島先生に伺いましたところ、後の世の方が、その仏像の由来を記しておられているとのことでした。
豊田市民芸館の白山妙理大権現像は円空の神像の中でもバランスのとれた良い姿をされています。聖観音菩薩像も阿弥陀如来を頭に冠し、手に宝珠か蓮の蕾かを持っておられる穏やかな像です。
円空展は2階で行われています。その2階に円空に魅せられた人たちの「作品」が展示されています。絵画、版画、切り絵、彫刻が一部屋に。そして写真が別のスペースに。私の写真も3点出品しています。
版画、切り絵、絵画いずれも見事なできで、感心しましたし、模刻をされている方たちの作品も見応えがありました。
朝来IC他あと二カ所に「道の駅」があって、帰りに買い物を楽しみました。温泉も二カ所見つけていたのですが、時間がありませんでした。生野銀山を見学するもよし、竹田城を見るもよし、連休中は人が多いかも知れません。