円空さんを訪ねる旅(93)
愛行院
(愛知県北名古屋市鹿田字丹波屋敷)
2017年11月14日(火)ガンダーラの会主催の現地学習会に参加しました。この日に拝観させていただく像がどんな像で、そのお寺がどういうお寺なのか全く知識がなく、北名古屋市の位置も、たぶん名古屋市の北側なのだろうぐらいのことしか分からない、全くもって主体性のない参加です。
名古屋駅から名鉄に乗って10分、西春という駅に着きました。そこから歩いて10分ほどに愛行院はありました。小雨の降る日でした。
愛行院は現在真言宗醍醐寺派・当山派修験宗のお寺でした。明治維新までは修験道の寺だったそうです。
本堂の左手に秋葉堂があります。
開会時刻より早く到着しました。講師の小島梯次円空学会理事長が既に到着しておられました。本堂に入ると机の前に正座されたご住職がおられました。小島先生が誘って下さって、ご住職にご挨拶しました。その時、ご住職が10cm程の立像を「円空仏ではないだろうか」と小島先生にお見せになりました。「いや、違う」とこたえられましたが、小島先生は、その机の奥にあった大黒天を見ておられました。それを手に取られて、「間違いない。円空さんの大黒天だ」とおっしゃいました。私にも「どう思う?」と聞いて下さいました。「少し前に志摩片田三蔵寺で見た大黒さんに似ている。間違いないと思う」と答えました。
(1)新発見!大黒天
というわけで、私は初めて円空仏新発見の場面に立ち会うことになりました。
背銘はありませんでした。底にも文字はありませんでした。大きさを測り、この大黒天があった場所を確かめました。小島先生、私そしてご住職の3人で秋葉堂へ入りました。
秋葉堂には厨子が三つあり、真ん中の厨子の中に、写真左の秋葉権現が祀られています。右側の厨子は開いており、前に右写真のように小仏が置かれていました。前に多くの大黒天がありました。この小さい仏たちは、真ん中の秋葉権現の足元に置かれていたそうで、その中に円空の大黒天も混じっていたようです。
小島先生はえびす神が対である可能性があるので捜しておられましたがありませんでした。
(2)僧形像
(19.5Cm)
愛行院を訪ねた目的は、この僧形像を拝見するためでした。頭を丸めている像は地蔵菩薩が多いのですが、断定できません。背銘も見えませんでした。お顔が欠けています。口のまわりの凹凸のつけ方や目を最小限の筋彫りにしています。