円空さんを 訪ねる旅(111) 林陽寺 (岐阜市岩田西) |
林陽寺は、ぎふ七福神ののぼりがはためく寺であった。山門にしだれ柳の大木があり、その横に白木蓮の大木もあり、両方とも立派に咲く3月末は美しいことであろう。
ここに円空さんの寛文後期から延宝初期の円空初期像が3体おられた。
観音菩薩
数時間前に訪れた関市天徳寺「円空さんを訪ねる旅(110)」の観音菩薩と大きさも像容もそっくりである。ほぼ同じ時期に民家に円空が彫り残したものではなかろうかと想像した。長い裳懸座が特徴である。40年ほど前、関市で行われた円空学会の研究会では、円空じゃないのではないかという意見も出たという。その頃はまだ裳懸座の長い像の発見が関や美並に限られていたらしい。
10.4cm | 11.0cm | 11.0Cm |
背面に斜め線が三本彫られている。そして梵字が書かれている。頭部に文首文字(イ) 背中中央に観音(サ)があり、中央に「退蔵界大日如来(ア) 金剛界大日如来(バン) 合一(ウン)」が長い裳懸座へ続く。裳懸座右に不動の(カーンマーン)、左に毘沙門天の(ベイシラマンダヤ)。