円空さんを 訪ねる旅(117) 東観音寺 (愛知県豊橋市小松原) |
このお寺は国の重文(3件)や市の文化財指定を受ける仏像や建造物、書画等を多数所蔵しておられます。その中に円空さんがおられました。所蔵庫の中は写真撮影禁止でしたので、私の拙い絵でこの寺の善女竜王をご紹介します。
善女竜王
(40.8cm)
円空作善女竜王は49体あるそうで、その内、龍が彫られているものが大半で、例外的に宇賀神が彫られているものが数体あると講師の小島梯次先生(円空学会理事長)から説明がありました。 この像背面に善女竜王と記してあるところから間違いなく善女竜王であるということです。 また、円空の初期像に善女竜王はありません。この像の背面頭部に文首文字「イ」が見られるところから、延宝7年までに造像されたと考えられるとのことでした。これらのことから円空が最初に彫った善女竜王であるかもしれないということでした。 善女竜王と言えば、飛騨国府清峯寺の十一面観音、善財童子、とともに三尊形式で彫られた像を思い浮かべるのですがこの像は龍そのものは彫っていないようで、例外的なもののようです。善如竜王とも書き、女性とは限らないようです。 この像は、宝珠を胸元に抱いています。そして甲冑のようなものを頭に着けています。履き物を履いていますから明らかに天部です。体を少しくねらせ幾重かのとぐろを巻いているように見えます。4等身の像で、かわいらしいなという印象をもちました。 背面をもう少し詳しく見たかったのですが時間切れで、私にはさっぱり理解できませんでした。金剛界、退蔵界の大日如来の種字が書かれているらしい。 この寺がある地名「小松原」が話題になりました。円空さんを訪ねる旅〈46〉白山町佐見庚申堂他にその八剱神社『観世音小松原大明神』がありますので見ていただきたいのですが「小松原」というもので円空と関係ありそうなのはここしかないということでした。 |